ツレサギソウ
暮らしとの関わり
 村人の話によると、昔はよく見かけた草だということだが、現在では数カ所しか確認していない。
 牛馬の餌となる草刈り時に見かけたと聞くが、一見ミョウガに似た姿が注意を引いたものであろうか。花はどんなものか殆どの人が知らない。
 今では希にしか見かけないことから、環境変化、盗掘などにより、現在、すでに石黒では絶滅が危惧される稀少植物である。
 葉は開花ころになると虫に食われたものが多い。葉は柔らかでいかにも虫が好んで食べそうな感じである。
 ツレサギソウの種子については、もともと、ランの種子は果実の中に、通常数百個から数十万個もの種子をもっていて、種子の大きさは長さ約0.5〜1.0mm,幅は約0.2〜0.4mmほどというから非常に小さい。
 そのうえ、ラン科の植物の種子は一般的な種子とは異なり発芽に必要な栄養分を蓄えるための胚乳や子葉をもたないのが特徴だという。そのため、自力では発芽できないので「ラン菌」と呼ばれる菌の助けを借りて発芽しある程度まで生長する。
 花は夜になると香りが強まり蛾の媒体による受粉が行われるといわれるが確かめたことはない。

(写真 2009.6.10下石黒 撮影-政栄)


         花期前のツレサギソウ


撮影2009.5.29下石黒 政栄


        満開時のツレサギソウ

撮影2009.6.13下石黒 政栄

             全体の草姿

撮影2009.6.13下石黒 政栄

           種子の様子

※サヤは3裂し中の小さな種子は翼をもっているように見受けられる
撮影2009.8.20下石黒 政栄
解 説
ラン科
 日本各地の低山草地に見られる自生ラン。多年草
 根茎は粗大なひも状で水平に広がって伸び〔下写真〕、その一つに芽をつける。
 茎は粗大で直立し緑色で高さは30〜50p。(下写真)
 葉は淡緑色で5〜7枚が互生して上に行くほど小さい。下部の葉は長さ10〜20p、幅4〜7pで先端は尖り基部は茎を包み一番下の更に長い鞘をもつ(左下写真)
 花期は5〜6月。花序の長さは10〜20p。花は乳白色で10数個穂状につける。花の径は1.5〜2p。〔きょ〕は長く3〜4pある。花下には花より長い緑色の包葉がある。外花披の側片は反り返り、背片は内花被とともに兜〔かぶと〕形に集まる。唇弁は細長く多肉で淡黄色で矩は垂れて非常に長く3〜4pくらいで入口に小突起がある〔下写真〕
 自生地は全国各地であるが、個体数は少ない。特に、近畿地方では絶滅危寸前種や絶滅危惧種に指定されている。
 名前の由来はサギに似た花が連なって咲くことによる。

art的ツレサギソウ画像


      花穂拡大

撮影2009.6.13下石黒 政栄

      花のつくり

撮影2009.6.13下石黒 

    太くてひも状の根

撮影2009.6.13下石黒 政栄

   サヤ(さく果)の様子

撮影2009.8.20下石黒 政栄