トウササクサ | |
石黒では、未だ出会ったことはない。 上写真の種は、北条で撮った。杉の混生した広葉樹林の中にまばらに生えていた。第一印象は葉がササあるいはタケに似ていることだった。高さは50pほどで小穂の頴はまばらについていた。 家に帰ってから、撮った写真からの同定に手間取ったが、下記の根拠からトウササクサとした。 @ササクサは関東以西に分布が限られること。トウササクサは新潟県が北限であること。 A護頴の形がどちらかというと背部に膨らみが見られること。 牧野植物図鑑をもとに、今日(2016.1.23)に頁の見直しをしているが、小穂のつき方-@下側に偏ってつくこと、Aまばらにつくこと、からササクサであるようにも思われる 今年(2016)中に再訪してもう詳しく観察してみたいと思っている。 ところで、WEB上の「環境の現状と課題−長岡市」によると、植物の保全すべき群落として、分布の北限に近い悠久山のトウササクサ群落を挙げいる。 また、新潟県と近畿以西の分布地帯の内の10県が絶滅危惧種T〜U類に指定している。 1981年版の「柏崎市の植物」にはトウササクサ及びササクサの名前は見当たらない。ともすると、北条のトウササクサは柏崎市では貴重植物と言ってよいのではなかろうか。 写真2013.9.26北条 草すがた 写真 2013.9.26 北条 (下の穂はチヂミザサ) 葉の形と表裏 写真 2013.9.26 北条 |
解 説 イネ科 本州の新潟県と近畿以西の暖帯に分布する多年草。日陰あるいは半日蔭の林床等に多く見られる。 根茎は木化して硬く茎は1〜2本直立し高さは花序を含めて60〜90p。 葉は、少数が互生し、幅の広い披針形で深緑色で基部は急に狭まり葉柄と長い鞘となる。長さ15〜20p、幅3〜4p先端は鋭く尖る。葉脈は横の小脈で結ばて方眼状をなす。 花期は、8〜10月。茎の頂から円錐花序を出して花序の軸から左右に互生して枝を出して、平たく細い卵型の長さ1p、幅3mmほどの小穂をやや密につける。護頴は広卵形で背が膨らんでいる。護穎の先端には短い芒があり、芒には下向きの小刺があって、 衣服に付着する。 名前の由来は中国にあり姿がササに似ている事による。 葉の基部から鞘部へ 写真 2013.9.26 北条 横の小脈で結ばれる葉脈 写真 2013.9.26 北条 頴の背面のふくらみ 写真 2013.9.26 北条 |