トラノオシダ | |
暮らしとの関わり 石黒ではよく見かけるシダの一つである。 とくに冬季にも葉が枯れないので目につく。小形でかわいらしいシダであり、名前の「虎の尾」はいかにも大仰であるが、幅が狭く湾曲しているところが似ていると言われれば納得がいくようにも思う。 上の写真は、筆者の生家の小路の生えているサワグルミの径1m余の大木の幹に生えたものである。→参考画像 トラノオシダは、葉が薄く、柔らかなで一見寒さや乾燥に弱そうだが、常緑多年草で、夏の暑さや冬の寒さに強いのは意外に思う。 その要因が実は葉の中に寒さに凍らない物質を持っている事だといわれる。「糖分」もその一つである。確かに、小学生の理科の実験に真水と砂糖水の氷る時間を比較する実験があった。時間と脳力があれば、こうしたテーマをじっくり研究してみたいものだ。 (写真2007.8.30 下石K) ブナの根の周りに生えたトラノオシダ 写真2010.6.18下石黒 写真2007.7.30下石黒 石の上に生えたトラノオシダ 写真2014.1.7畔屋 |
解 説 チャセンシダ科 北海道から九州の市街地までの山地に普通に見られる小形の常緑多年草。 根茎は短い。 茎は短く斜上し高さ10〜30p。 葉は集まって出る。葉の長さ10〜40p。柄は短く褐色を帯びる。葉の下部の羽片は次第に小形になり最後は耳片状となる(上右上写真) 胞子嚢群は羽片の裂片上につき短い線形、包膜は片側だけが開いている。胞子が熟すと歯の裏全体が濃い褐色に見える。 名前の由来は細長い葉の形を虎の尾に見立てたもの。 耳状片となる基部最後の羽片 写真2007.8.30下石黒 胞子嚢 写真2011.8.4下石黒 冬の個体 写真2010.12.19下石黒 早春の様子 写真2014.2.22岡野町城山上口 |