チゴユリ
暮らしとの関わり
 チゴユリは、石黒では普通に見られる。
 早春に広葉樹林の地上いたるところに群生する。〔下写真〕→群生写真
 小さな草姿が可愛らしく目を引く野草であるが、丈が低く花は下向きであり、座り込んで目線を下げて見ないとチゴユリの佳さはわからない。
 種子による繁殖よりも、地下茎による繁殖に頼る植物であるといわれるが、たしかに、筆者が見る限り結実する個体は少ない。
 晩秋になっても葉の形は乱れず黒い果実をつけたチゴユリもなかなか佳い姿である。〔下写真〕
 似た野草にホウチャクソウがあるが、こちらは枝分かれし花は、筒形で開かない。

 (写真上・右上2005.5.26下石黒 右下2005.9.26下石黒)


              全体の姿

写真2006.5.13 下石黒

          葉の表裏

写真2006.5.13 下石黒

           チゴユリの群生

写真2006.5.13 下石黒

            花のつくり


         果実期のチゴユリ

写真2008.10.14 下石黒

          晩秋のチゴユリ

写真2005.11.25落合

            根の様子

写真2009.6.1下石黒
解 説
ユリ科
 北海道から九州各地の林床に普通に見られる多年草
 地下茎は細い根茎走出枝(左下写真)があり、地下茎による栄養繁殖をする。
 茎は高さ20〜30pで普通は枝分かれしない。節で多少曲がり(下写真)、下部は膜質のサヤ状葉で包まっている(下写真)
 葉は互生し茎に接して短い柄がある〔上写真〕。両面無毛で質は薄い。
 花期は5〜6月。茎の先に1〜2個の白い花をつける。花弁は6個で長さは12〜16o。基部に密腺がある。雄しべは6個は花披の基部につき、花糸は長く、ヤク腺形で長い〔左下写真〕子房上位にあり3室に分かれている。
 果実(液果)は球形で8〜9月に熟し、黒紫色〔上・左下写真〕。
 名前の由来は姿が小さくて可愛いことによる。

 

     幼苗

写真2010.5.8 下石黒 政栄

 茎の節での曲がり

写真2009.5.17 下石黒

  茎下部の膜質の鞘状葉

  写真2006.5.13 下石黒

         幼果
 写真2009.5.17 下石黒

    成熟する果実

写真2009.8.28 下石黒

     液果と種子

 写真2007.10.19 下石黒