ホウチャクソウ
暮らしとの関わり
 春の山菜採りで林床でよく見かける植物である。小ぶりながら草姿がよいことと一風変った形の花が印象的である。しばしば群落に出会う。参考写真クリック
 花はほとんど開かず、色は地味であるが白と緑の境目の変化に絶妙な味わいを感じる。
石黒では方言名は伝わっていない。
 鉢植えなどで見る黄色い花のつくものは黄花ホウチャクソウで朝鮮半島原産であるという(牧野植物図鑑)→右下写真

(写真上2005.5.6下石黒 右上2005.6.8 右中2005.6.23 右下2005.8.28大野)


      ホウチャクソウ若草

写真上2005.5.6下石黒

         ホウチャクソウの葉

写真上2009.10.31下石黒

      液果と種子

写真上2009.10.31下石黒

    根茎と走出枝〔匍枝〕

写真上2009.10.31下石黒

         秋のホウチャクソウ

写真上2009.10.31下石黒


解 説
ユリ科
 全国の山地の林縁や谷沿いに自生する多年草
 根茎走出枝をのばして先端に翌年の株ができる。〔左下写真〕
 茎は直立し高さ30〜50pで上方で枝分かれする〔左写真〕
 葉は長楕円形で先端は尖り基部は丸く茎に接している。下半分は縁と内面に短毛がある。裏面の脈上と縁に半円形の小突起がある〔写真準備中〕。長さ5〜15p、幅1.5〜4p。3〜5脈がある。
 花期は4〜5月。枝の先に1〜2個の短い柄のある長さ3pほどの花をぶら下げる〔左写真〕花被片は6個互いに接して筒状となり開平せず、各片の上部は緑色下部は白色、長さ3pほどの広被針形で先端は鋭頭。基部は椀形にふくらみ狭くなる。内面の下部に短毛がある〔写真準備中〕
 雄しべは6個で花披にかくれており、花糸は無毛で長さ約2p。ヤクは広い線形で長さ5〜6o。雌しべは花披とほぼ同じ長さ。子房は下位にあり長球形で3室に分かれる。花柱は無毛で1.5oほどあり先端は3つに分かれている。
 熟果は長さ10o内外で熟すと黒く長球状である〔上写真〕
 名前の由来は寺院の軒に下がっている宝ちゃくに似ていることによる。



   ホウチャクソウつぼみ

写真上2005.5.6下石黒

    花の色の濃淡模様

写真上2005.5.6下石黒

      法鐸

宝鐸(ほうちゃく、ほうたく)とは寺院建築物の軒先の四隅に吊り下げられた飾りであって、風鐸(ふうたく)とも呼ぶ。


     黄花〔栽培種〕

写真上2009.4.28松美町