タケニグサ | ||||||||
暮らしとの関わり 石黒では「ヤマチンキ」とか「トートガラ」と呼んだ。方言の呼び名の由来は、前者は、茎を折るとヨウドチンキのような液が出ることによるものと想われる。後者は、とう(茎)が高く中がカラ(空)であることによるのではなかろうか。 タケニグサは、道ばたなどに多く見かけられるが、有毒であるだけに見た目にも一種の毒々しさを感じる草であり、あまり好かれない草の一つであろう。 しかし、欧米では鑑賞用に庭に植えられるという。タケニグサは中国と日本にしか自生していない植物であることから欧米では珍重されるのであろう。 ちなみに別名チャンパギクのチャンパはインドシナの古い国名であり、その地からの渡来植物と考えられたが当地にはタケニグサは自生していないという。 村の道ばたのタケニグサ→参考画像 (写真上2005.7.5上石黒 写真右上2005.7.11板畑 右下2004.10.26寄合) 若芽 撮影2010.5.19下石黒 タケニグサ若草 撮影2005.6.8下石黒 小群生 撮影2012.7.10大野 花の最も美しいころ 撮影2005.7.19 大野 果実期の様子 写真2014.9.17板畑 背景黒姫山 果実期の様子2 写真2015.9.21寄合-風張り タケニグサ茎の空洞と黄赤色の汁液
撮影2009.5.31 下石黒 さく果と種子 撮影2005.10.19寄合 崩壊地に真っ先に生えるタケニグサ 写真2017.5.23板畑 嶽 写真2009.6.19寄合
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解 説 ケシ科 本州から九州の土手や草むら、荒れ地などによく見られる大型の多年草。 有毒植物。 根は大きくオレンジ色(左下写真)日本と中国に2種しかない植物。 茎は中空で直立し高さ3mに達するものもある。ふつう分枝しない。草全体が粉をふいたような色合いであるが葉の裏は特に白い。 葉は互生し柄があり長さ20〜30p。葉は丸い心臓形で縁には鈍く浅い裂け目が入り、裂片には鋸歯がある。裏面は細毛がやや密生する。(下写真) 花期は7〜8月。茎の先に大形の円錐花序をつける。 花はやや小形で花柄がある。ガク片は2個、長さ約10o。白色まれに紅色を帯びることがあり、開花直前に落下する。花弁はない。雄しべは多数、ヤクは線形で黄色で長さ3〜4o。糸状の花糸がある。 花はヘラ形で白い縁のついた2個のガク片は1pほどの長さで開花するとすぐに落ちる。花弁はなく多数の雄しべと1個の雌しべがある。 花の後、細長く扁平なさく果〔熟すと果皮が割れて開く果実〕をつける。長さ2.5p、幅5oほどで先端に花柱が残っている。その中に細かい種子があり〔左下写真〕地上に落ちたあと蟻によって運ばれて繁殖するという。 名前の由来には、竹に似ているからという説と、竹と一緒に煮ると竹が柔らかくなることによる、の2説がある。 ゴボウトガリヨトウの食草。 葉裏の毛 撮影2009.5.31 下石黒 白色を帯びた葉裏 撮影2005.7.3落合 花 写真2005.7.12下石黒 秋のタケニグサ 撮影2005.10.19寄合 3mを越えた個体 写真2016.7.16下石黒 雅子 花序-果実期 撮影2010.8.4上石黒 さく果の中のまばらな種子 撮影2005.10.19寄合 種子拡大 2004.10.26寄合 冬の枯れた茎 撮影2009.1.8板畑 |