タイヌビエ | |
暮らしとの関わり タイヌビエはケイヌビエと共に水田の強害草として昔から嫌われた。とくに、稲より一足先に稔るために種子が田に落ちるため厄介者の雑草であった。 そのため、除草剤の使用が普及するまでは、「ヒエ拾い」という作業が欠くことの出来ない農作業の一つであった。ヒエは稲の生長を阻害するばかりか、種子を落とさないうちに取り去らないと翌年に大発生する。 特に成長の時期と出穂までの形態が酷似しているため、出穂前には子どもの頃の筆者には、全然見分けがつかなかった〔現在も葉舌をいちいち確認しなければ区別できない〕。田の草取り作業で幼苗のうちに稲と見分けて取り去る大人の眼力には、驚いたものである。 ちなみに、子どもの頃〔昭和20年代〕に、学校の指導のもと、登校時に田の畔を通ってイナゴ捕りをさせられた。そのときおびただしいイナゴが稲の葉を食べていたがヒエの葉は無傷であったように記憶している。 〔写真2007.8.2上石黒〕 全体の姿 写真2007.9.12上石黒 芒の長さは長が異なる 分けつした茎基部 写真2007.8.2上石黒 |
解 説 イネ科 日本全国の耕地付近の水辺や湿地、水田や畔などに生える一年草。 茎は直立し基部は分けつして群がり立つ〔左下写真〕。 茎の高さは50〜90pで全体に黄緑色で葉の長さは10〜20p、幅8〜12o。 葉舌はなく葉ザヤは平滑で無毛。〔上写真〕。葉の縁が厚く白っぽく見える〔下写真〕。 花期は7月から9月。淡緑色で長さ10〜15pの円錐状の花穂を出す〔上写真〕。 小穂は卵形で長さ5.5oで芒は無いかあっても短い。 えい果は広倒卵形で乳褐色、長さo。 名前の由来は「田犬ヒエ」で田に生えるヒエの意味。 白っぽい葉の縁 写真2010.7.28 落合 節がやや膨らむ 穂 小穂 写真2007.8.2上石黒
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