タガラシ
 石黒では、出会ったことはない。
 市街地周辺でもまれに見かける程度である。キツネノボタンと混生していることもある。
 キツネノボタンかケキツネノボタンと思って見逃しやすいが、果実が細長い球形であることから別種であることに気付くことが多い。
 今日、タガラシが稀にしか目につかなくなったのは、水田の乾田化と除草管理の外に、キツネノボタンなどに比べ、本種がより多湿な土地にしか生育できないことが原因ではなかろうか。今後、留意して観察してみたい。

写真2012.5.19 田塚


           叢生している場所の草姿
写真2013.5.21 田塚

            花から果実へ
写真2012.5.19 田塚

                群生


写真2012.5.19 田塚


解 説
キンポウゲ科
 全国の各地の休耕田や溝の中や縁に普通に見られる。史前帰化植物の一つ。
 茎の高さは25〜50pで上部はよく分枝する。
 根生葉には長い柄があり、幅2.5〜7pで3〜5片に裂け、裂片はさらに浅く3〜5裂する。茎葉は互生し短い柄があり、3つに深く裂ける。
 花期は4〜5月。分枝の先に黄色い花をつける。花の径は8mmほど。
 ガク片は5個で開花時には反転し大きさは花弁と同じくらい。花弁は平開し光沢があり基部には1個の小鱗片(蜜腺を覆う役目)がある。雄しべ雌しべともに多数で子房は小さい。
 そう果は、楕円形で短い嘴があり、果実は長細い球形となり長さ8〜12mmほど。
 有毒植物。
 名前の由来は、田の中に生え、辛みがあること、あるいは、繁茂して田の稲を枯らすほどであることによるとされる。
 有毒であるので辛みを試すことは要注意。



   やや肉質の根生葉
写真2013.5.21 田塚

     上部葉と毛
写真2012.5.19 田塚

      中空の茎
写真2012.5.19 田塚

      花と果実
写真2012.5.19 田塚

       根のようす
写真201.5. 2田塚