シャクジョウソウ
暮らしとの関わり
 石黒では、たまに見かける植物の一つである。
 ギンリョウソウが果実を持つ頃(全体の色が黄褐色を帯びる)の姿と似ている。とはいえ、ギンリョウソウは花を1個しかつけないがシャクジョウソウは数個の花をつける。
 どちらも、薄暗い林の中での変わった姿から印象に残る植物である。

(写真2007.7.19 下石K−タキノフチ)

               
 花拡大

写真2007.7.19 下石K


     鱗片状に退化した葉

写真2007.7.19 下石K

            錫杖(しゃくじょう)

解 説
イチヤクソウ科
 北海道から九州の山地の暗い木陰に生える多年生腐生植物
 茎は多数集まって直立し高さ20p内外。全体が淡い黄褐色。肉質の円柱形で軟毛がある。
 葉は退化して小さな鱗片となって茎にそってやや直立して互生する〔左下写真〕。上部の鱗片はまばらにつき下部のものは次第に小形になって密につく。 
 花期は5〜6月、茎の先に花軸を出して柄をもった花を5〜10個つける。花は最初下向きであるが開花するにつれて上向きとなり果実の時には真っすぐ上を向く〔下写真〕
 花は長鐘形で淡黄白色でガク片はへら形で花弁よりも短く内側に細毛がある。花弁は4枚、肉質で長楕円形で先は鈍形、内側に細毛が多く基部は多少ふくらんである。
 雄しべは8本で子房を囲み花糸〔かし−雄しべの柄の部分〕は白色で毛があり、やく〔花粉の袋〕は赤褐色。子房は卵円形で花柱は太く直立し淡黄色で毛がある。柱頭は円い皿状で黄色〔左写真〕
 さく果は広い楕円形の球状で細かい毛がある。
 名前の由来はお坊さんの持っている錫杖〔しゃくじょう〕(左写真参照)に花序を見立てたもの。

    直立した果実

写真2007.7.19 下石K