スズメノテッポウ
暮らしとの関わり
 石黒では「ピーピーグサ」と呼んだ。
 子どもの頃に、この草で草笛を作って遊んだ。穂(花茎)を抜き取って葉の付け根に口を当てて吹くとピーピーと可愛い音が出た。
 この笛はユキツバキの笛などと違い作る技術もいらず誰が吹いても鳴った。
 昔は田畑の強害草であったが、子どもたちにとっては親しみのある草でもあった。

写真2005.6.3大野 


              全体の姿

写真2011.6.10下石黒

         群   生

写真2005.6.3大野 

             全体の姿

写真2007.5.28下石黒

        種子散布中の穂と種子拡大写真

写真2007.6.8下石黒

     吹くと音の出る部分(葉舌)

写真2009.5.14大野

解 説
イネ科
 全国各地の休耕田、道端、荒れ地などに群れて生える一年草または越年草。稲作と同時に渡来した史前帰化植物
 茎は根元から束になって直立しまたは基部節で曲がり斜め上に伸び(下写真)円柱で中空、高さ20〜30p。
 葉は線形で縁に細かい鋸歯があり白粉を生じ白っぽくみえる。葉の長さ3〜8p、幅4〜5o。葉鞘はややふくれる。
 花期は5〜7月。茎の頂に淡緑色の長さ5〜8p程の花穂〔円錐花穂〕を出し淡緑色で多数の小穂を密着する。花穂のヤク〔花粉の入っているおしべの袋〕は淡黄色から褐色に変わる。(写真右上)
 小穂は1花からなって左右から圧せられ短い柄〔小梗〕がある。(下写真)
 種子は1株あたり2000個ほどで散布されると休眠にはいり翌年の春に発芽する。
 名前の由来は円柱形の花穂を小さな鉄砲に見立てたもの。



       中空の茎

写真2009.5.14大野

    基部の節で曲がる茎

写真2007.5.28下石黒

   種子散布の頃の様子
写真2007.6.8下石黒

       小梗
写真2007.6.8下石黒

      種子拡大

写真2007.6.8下石黒