スズメノヒエ
暮らしとの関わり
 昔から道ばたや他の畦、畑の雑草としておなじみの植物である。子どもの頃に稲の穂に似ているので皮をむいてみて種子の小さなことに驚いた記憶がある。
 茎の上部に旗のようにつく穂は、熟すと薄茶色となり、いかにも雀が好みそうにも見える。
 実際にスズメが種子を食べている様子を石黒の山小屋の庭で偶然に撮影できた。3羽が来て交互に飛びつくような仕草で実をついばんでいた。まさに名前の通りだと納得した。〔上右写真〕

〔写真2009.9.6板畑 右上2006.9.4 右下2009.9.6板畑〕


       スズメノヒエの草姿

写真2009.9.6板畑

     柱頭〔黒いブラシ状〕と葯(黄色)

写真2009.9.6板畑

             草全体の姿
写真2009.9.6板畑


解 説
イネ科
 本州から沖縄、小笠原諸島の日当たりのよい所にに見られる多年草
 茎は細く高さ50〜90p。葉は根ぎわから束(たば)のように集まって生じ幅7oくらい(左下写真)。全体に軟らかく長い軟毛がある。
 花期は8〜10月。茎の先に互生した3〜5個の枝穂を出し下向きに淡黄緑色の小穂を2列に並んでける(下写真)
 小穂は長さ2.5〜2.7oで短い柄があり扁平で微毛があり芒はない。第1、第2の両包頴〔えい−イネ科植物の、花・小穂の外側にある葉状の2枚の小片。花を包む花穎、小穂の付け根にある苞穎(ほうえい)〕は膜質で中に同形の護頴内頴があり護頴は内頴を固く包んでいる。
 名前の由来は同じイネ科のヒエに似るがそれより小さいこと、その他、雀が食べるヒエなどの説もある。〔上写真〕



   穂柄の基部につく長毛

写真2009.9.6板畑