スカシタゴボウ
暮らしとの関わり
 石黒では普通にみられる。一見イヌガラシと似るが、スカシタゴボウは、切れ込みをもつ葉がほとんどであり、果実がずんぐりしていること、また、茎が中空のことでも区別できる。
 花期は4〜6月とあるが、2番芽であろうか10月に開花しているものを多く見かける。
 スカシタコボウは昔から、田の畔や畑の害草として嫌われた植物であった。種子のみに止まらず切断根による栄養繁殖能力もありしぶとさをもった雑草であった。

写真2007.10.4大野


       
 下部と上部上部の葉の形
写真2007下石黒大野

    上部の葉の付け根

写真2007.10.4大野

           ごぼう状の根


写真2007.10.4大野

       花のつくり

写真2009.5.14上石黒

解 説
アブラナ科
 全国の水田や畔、道端などに生える一年草越年草。変化に富む。
 根茎は太く直下してゴボウ状〔写真左下〕
 茎は直立して枝をわけ高さ30〜70p。中空〔下写真〕
 根元の葉は羽状に深く裂けて頂裂片が最大で両側の葉は下部のものほど小形で縁には鋸歯があり〔左下写真〕。長さ5〜17p、幅15〜30o。茎上部の葉はほとんど無柄で根元の葉には柄がある。
 また、上部の葉は分裂せず粗い鋸歯があり基部には耳状の裂片がつく〔左下写真〕
 花期は4〜6月。枝先に総状花序〔長い花軸に花柄のある花が沢山つく花〕をつける〔上写真〕
 花は黄色の十字状花を多数開く。ガク片は長楕円形で長さ2oほど花弁はヘラ形で長さ3oほど。雄しべのうち4本が長く雌しべは1本(左下写真)
 果実はやや上方に曲がった短角果。ズングリ形の楕円形で長さ4〜6o径2〜2.5o。果柄は長さ5〜7o〔上写真〕
 種子は球形で径0.5o細かい点状の突起がある。(下写真)
 名前の由来は「透かし田牛蒡」で田に多いことと根をゴボウになぞらえたもの。スカシの意味は葉が羽状に裂けていることにあるのかもしれない。



      中空の茎

写真2007.10.4大野

    果実と種子

       種子

撮影2010.12.8

     早春の草姿

写真2007.4.14春日(市街地)