セイヨウタンポポ | |
暮らしとの関わり 石黒では、現在(2006)は、在来種のエゾタンポポの方が多い。しかし、道路沿いでは両者が同等くらいで、 しばしば、両種のタンポポが一カ所に雑居している様も見かける。〔参考写真〕また、しばしば両種の交雑種も見られる。 しかし、ここ4〜5年で道端のセイヨウタンポポが増えつつあることは確かである(2010)。 市街地周辺では断然セイヨウタンポポが多い。(下写真) セイヨウタンポポは、日本の在来種の多くが他の花粉を必要とするのに対して単独で繁殖できる。 石黒に自生するエゾタンポポも自家受粉できる種であるが、その生命力ではセイヨウタンポポには、かなわないようだ。 セイヨウタンポポは、一年中開花できること、種子が軽く広く散布されるうえに発芽率が高いことなどで優勢であるからだ。 また、セイヨウタンポポは在来種と交配をしてその中間種も多くみられると言われていることから生粋のエゾタンポポは今後、数を減らしていくに相違ない。 ちなみに、セイヨウタンポポは、明治維新時に北海道開拓のために札幌へ招いたお抱え外国人の食材食物(欧米では今でも栽培)として欧米から取り寄せて栽培していたものが畑から逸出し全国に広まったものと言われている。 〔写真2006.5.4 下石黒〕 群生-1 写真 2011.5.9 田塚 群生-2 写真 2014.5.3 野田 花(200個ほどの合弁花の花冠の集まり) 写真 2009.4.26下石黒 果実穂 写真 2002.5.23板畑 嶽 ※哲学者レビィ−ストロースは青年時代に戦場でタンポポの花の幾何学的な美しさを見て哲学のヒントを得たといわれているが花冠であったか果実穂であったか、私には果実穂であったのではと思われてならない・・・・。 セイヨウタンポポの頭花(集合花)のつくり ス 写真 2023.4.23 新田畑 タンポポの花冠 写真 2023.4.23 新田畑 冠毛(ガクが変化したもの)をもったソウ果 写真2005.6.9 下石黒 種子をつけたセイヨウタンポポ 写真 2005.6.9 下石黒 開花から種子散布まで 写真 2023.4.20 下藤井 変化に富む葉の形 写真2009.9.14 上石黒 嶺坂 冬の開花 写真 2009.12.8 寄合 |
解 説 キク科 ヨーロッパ原産の帰化植物で我が国には明治の初めに渡来した。現在ではとくに市街地を中心に日本各地に広がっている。要注意外来植物。 植物全体に苦みのある乳液を含む。 根は円柱形で深く直下するが小石などある地中では枝状となる。(下写真) ロゼット状の葉の形は変化に富み(左下写真)質は柔らかで毛はない。 花は4〜5pで黄色。春の陽を受けて開くことは他のタンポポと同じ。花は5枚の花弁が合着して合弁花となる。 舌状花はすべて両性で結実し、雄しべの花糸は細くて糸状(上写真)。雌しべの花柱も糸状で柱頭は二又に分かれる。(上写真) そう果は褐色で平たい紡錘形で縦に短いが鋭い歯状の突起が並び(下写真)上部の柄状の先に白い冠毛をもつ。 在来種との区別は、花期が長いこと、萼(がく)のような部分(総包の外片)が反り返っていることで区別できる。 セイヨウタンポポは単為生殖で種子をつけるため繁殖力が強く繁殖域を広げつつある。 また、最近になって在来種との雑種が発見され注目されている。 群生-3 写真 2011.5.9 田塚 花と葉の様子 写真 2009.4.26下石黒 舌状花 写真 2009.4.26下石黒 写真 2023.4.22下藤井 果実穂 写真 2002.5.23板畑 嶽 果実穂 写真 2023.4.20 下藤井 そう果の歯状の突起 写真 2005.6.9 下石黒 種子散布後の全体の姿 ※道路沿いで小石等により根がこのように分かれるものも見られる 写真 2023.4.27 下藤井 真冬にも開花 写真 2013.1.24 市街地〔原町〕 コンクリート道路の隙間の個体 写真 2013.7.5 松美町
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