サワハコベ
暮らしとの関わり
 6月ごろに林に入ると、ひっそりと咲く小さな白いサワハコベの花が目をひく。
 花をよく見ると花弁の先端が割れている様子がウサギの耳のようで愛らしい。
 ハコベのたくましさがない反面、草姿がハコベにくらべてすっきりとしていて上品である。

〔写真2006.6.6下石黒〕


       花期に入った頃のサワハコベ

写真2006.6.6下石黒 屋号茶畑の近くで撮影

         這うように伸びる茎

写真2006.6.6下石黒

      ひげ根を出す茎の白い基部・長い葉柄

写真2011.7.25下石黒

解 説
ナデシコ科
 山地の林の中の湿ったところに自生する多年草
 茎はやや肉質で軟らかで無毛、円柱形で緑色をしている。基部は白くひげ根を出し(下写真)、地上を這うように伸び先の部分が立ち上がる(左下写真)。分岐は少ない。高さ5〜30cm。
 葉は対生で柄が長く(左下写真)、三角状の心臓形。長さは1〜3cm。毛はないかまばらに生えている。(下写真
 花期は5〜7月ごろ。葉の脇から細い長い花柄〔右上写真〕を伸ばし白い花をつける。
 ガク片は5個で長さ5oほど(下写真)。細く先端は尖り脈上に毛があることもある。花弁は5個でガク片とほぼ同じ長さで途中まで2つに裂けウサギの耳に似ている〔上写真〕。雄しべは大抵10個で卵形の子房の上に花柱が3個ある。
 さく果宿根ガクよりやや長く6裂する。
 名前の由来は沢〔湿ったところの意味〕に生えることによる。



   サワハコベのガク

写真2006.6.6下石黒

    葉のまばらな毛

写真2006.6.6下石黒