サワアザミ
暮らしとの関わり
 石黒では、地蔵峠で出会ったきりで、他ではみたことがない。外に自生地はないか、あっても極めて稀にかないとことは確かであろう。ちなみに、同じく大形の種のナンブアザミは至る所にあるといっていいほど多い。
 上の写真は黒姫山の麓の沢の近くで撮った。高さは2mを超え、その葉も巨大なことに驚いた。
 開花前であったが、下向きに曲がってつく頭花の基部に長い苞葉が見えることからサワアザミと同定した。開花時に再度確かめたい。
 葉が極端に深く裂けるものもあり地方変異が非常に多く、日本では100種以上あるといわれる。
 平凡社の「日本の植物」には、伊吹山東北麓では食用にするとあり、平安期以来のナ(菜)アザミかも知れないと記されている。山菜としてはアザミの中では最も好んで食べられた種であるといわれるが、石黒では昔からアザミは山菜の仲間に入っていない。ナンブアザミの幼苗の茎を食べる人が現れたのは最近のことである。
 昨年は自生場所を探し当てることができず花を撮影できなかった。今年(2010)こそ探しあてて花期に再会したものだと念じている。
 その後、サワアザミの自生に出会うことができないでいたが、今日(2014.10.4.)、柏崎博物館主催の新種アザミ観察会に参加した。観察の主な対象は、先年命名された新種、ヨネヤマアザミ、タンネアザミの確認であったが、今日も、第三の新種と想われる仮称「カシワザキアザミ」が発見されて参加者の興味の的となった。
 その折、谷根の集落付近には道路沿いにサワアザミが多くみられ念願の花期の撮影ができた。来春には再訪し若芽から花期前のサワアザミを撮影したいと思っている。

写真2014.10.4谷根


            6月頃の様子

写真2016.6.14谷根

          9月頃の様子

写真2007.9.4 地蔵峠-まきの沢沿い

         葉柄の翼

写真2007.9.4 地蔵峠-まきの沢沿い

                  花期

写真2014.10.4谷根

 
解 説
キク科
 北海道から本州の日本海側の山の渓流沿いなどの湿地に生える大型多年草
 茎には、くも毛があり、高さ1〜2m。希には3mに達することもある。 
 葉にはのある葉柄があり(左下写真)羽裂し(地方異変が多い)、長さ50〜60p、幅30pに達する。表面には毛がありざらつくが裏面は無毛。縁には棘がある。(下写真)
 花期は9〜10月、頭花は数個横向きにつき頭花と同じくらいの長さの4〜6枚の苞葉が直下から立ち上がり、(上写真)幅2〜3pで鋭く尖り棘がある。
 そう果は、長さ4〜4、5mm。
 名前の由来は沢の近くに生えることによる。



      六月の頃
写真2016.6.14谷根

   葉の縁にあるトゲ
写真2007.9.4 地蔵峠

 つぼみから花の終期まで


写真2014.10.4谷根

     倒れた個体
写真2014.10.4谷根