サンショウモ
暮らしとの関わり
 サンショウモは、現在、農薬(除草剤)が使われるために、ごく希にしか出会えない希少植物となった。環境庁編のレッドデータブックでは絶滅危惧2類に上げられている。
 石黒では、昭和30年代までは田の水面を覆って水温を下げて稲の生長を阻害する強害草であった。筆者は子どもの頃に水面全体がサンショウモに覆われた田を何度か見た記憶がある。
 また、子どもの頃、なぜかサンショウモに特別な興味を抱いた経験がある。水田からサンショウモやウキクサを取ってきて、家の庭にあった石の手水鉢に入れて毎日観察した。すると、小さな幼葉ができて羽状に成長してどんどん増えていく様が非常な驚きであったことを憶えている。
 以来60年余が過ぎた今日、HP石黒の動植物制作でサンショウモの自生地を探しあぐねているとは、当時では想像できない自然環境の変化である。(2008年)
 ところで、調べてみるとサンショウモの生態はなかなか興味あるものであるようだ。ぜひ来年は何とかサンショウモに出会い、飼育観察をしてみたいと思っている。
 今夏(2018)の暑さは正に異常で、柏崎市で初めて37度を越えた。今日(2018.8.26)は坊ちゃんカボチャの収穫と大根畑作りにに石黒に出かけた、暑さを避けて朝4時に家を出て日の出少し前から仕事を初めて8時には終えて朝飯を食べて帰宅した。少雨と酷暑のためか、カボチャの収穫は極端な不良であった。同じ株数で昨年は80個、今年は7個という極端な減収である。その帰り道に国道353号線の改修工事の様子を撮影に現場を訪れると、思いがけなくサンショウモの群生に出会った。消長が激しい植物といわれるので継続して観察したい。(下写真)

(写真2007.10.1 寄合)

       ヒシと共に自生するサンショウモ

か写真2008.10.4 寄合

          浮上葉と沈潜葉-1

写真2008.10.4 寄合

               大群生


写真 2018.8.26上石黒 下石黒墓場下国道353改修工事付近



解 説
サンショウモ科
 本州、四国、九州の水田、池沼、溝などの水面に浮かんで生活する一年草シダ植物部門に属す。
 全長7〜10p。多少分枝する。 葉は浮上葉2個と沈水葉1個に分かれる。沈水葉は根のように細毛をつけて水中に垂れ下がり養分を吸収する〔上写真〕
 浮上葉は短柄があり楕円形で長さ8〜15o、幅6〜10o。茎軸上に対生し羽状に並ぶ。
 浮上葉の上面には短毛のある多数の突起があり厚ぼったく見える〔上写真〕。裏面は茎とともに軟毛がある。
 秋に、沈水葉の基部に短い枝が出て球状の胞子ノウがつく。これが泥の中に沈み越冬する。
 名前の由来は浮上葉がサンショウの葉に似ていることによる。()



       形

写真2008.10.4 寄合

    葉の表面の突起
写真2008.10.4 寄合

    浮上葉と沈潜葉-2写真2008.10.4 寄合

参考資料-サンショウの葉の形

写真 下石黒