オウレン
暮らしとの関わり
 石黒にはオウレンは自生していないと今まで思っていたが、寄合地区の山に自生地があることを知って、驚くとともに嬉しく思っている。
 このような思いもかけない出会いは、あたかも、長年、探し求め諦めかけていた人に偶然に出会ったような感激があるものだ。歳と共に、相手が人間であれ草木であれ、かけがえのない汝〔同胞〕であるという気持ちになるのは誰でも同様であろう。
 柏崎市街地に近い山野にはふつうに見られる。三十数年前(1980)に赤田地区の山で大きな群生を見て驚いた記憶がある。その時に一株掘り起し石黒の生家の跡の山小屋の庭に植えたものが現在(2012)も健在である。
 近年、鯨波と堀で小群生に出会った。→写真
 白川風土記による江戸時代の鯨波村の産物の一つに黄連-オウレンが見られる。

写真2009.4.12寄合
     

                幼苗
写真2012.4.18畔屋

雄花 両性花
写真2009.4.12寄合

         黄色い根茎と葉の様子

写真2009.10.16寄合

   開花の頃の新葉の芽

写真2009.4.12寄合
         葉の形と表裏の比較

写真2009.10.16寄合

              果実期

           種子散布後の様子


解 説
キンポウゲ科
 北海道西南部から本州の日本海側に分布する多年草雌雄異株
 根茎は黄色でやや太く多くのヒゲ根を出す〔左下写真〕
 根出葉は、3出複葉で小葉は卵形で鋭い鋸歯がある。
 花期は3〜4月。10pほどの花茎を出し白色で柄のある花を2〜3個の花を互生してつける。茎葉は包状に退化する〔下写真〕。花の径は約10o。
 ガク片は5〜6個で白色で被針形。花弁は白色または淡紫色を帯びガク片より小さくヘラ形〔左下写真〕両性花と雄花〔上写真上〕がある。雄花には雄しべが多数あり、両性花〔上写真下〕には心皮〔しんぴ−雄しべを構成する葉〕数個ある。
 袋果は長さ10〜15o、柄は4〜10oで輪状につき短い花柱がある〔下写真〕
 薬用植物の一種で根茎を使用する。
名前の由来は漢名の「黄連」に基づいたもの。



       袋果

写真2010.5.8寄合 政栄

写真2009.5.23寄合


   種子撒布後の袋果

写真2009.11.26寄合

         種子

写真2009.11.26寄合
  
 
包状に退化した茎葉

写真2009.4.12寄合