オオナルコユリ
暮らしとの関わり
 石黒では方言名で「ヘンビユリ」と呼んだ。「蛇百合」の意味であるが、ヤマユリに似ているが花が貧弱であることから附けられた蔑称であろうか。
 アマドコロは、石黒にはごく希であるがオオナルコユリは普通に見られる。時には巨大なオオナルコユリに出会うこともある。高さが1、5mに達するものもある。(下写真)
 石黒で若芽〔右下〕を山菜として若芽を食べ始めたのはごく最近(2010年頃)である。アマドコロに比べて繁殖力が弱いといわれるオオナルコユリの山菜として乱獲による衰退が心配される。
 だが、今も時には巨大と呼びたいほどの大きなオオナルコユリに出会うことがある(上写真)。山の傾斜から腐葉土が滑り落ちて溜まったような場所に生えていた。実に葉の幅は8pにも達する(下写真)大物である。
参考画像→オオナルコユリ開花まで
 ナルコユリとの区別は花糸の基部の微かな突起があること、といわれているが、現在(2013.1)所蔵の写真では確認できないので来春、観察してみたい。

(写真上2005.10.7落合 右中2005.6.18落合 右下2005.10.7下石黒)


        花の形と吸蜜するマルバナバチ


           夏のオオナルコユリ

写真2005.8.2 下石黒
    オオナルコユリの根塊

写真2009.5.8 寄合
        オオナルコユリの葉のつきかた

写真2005.7.8 寄合


              花のつくり

写真2010.6.10 上石黒

         まれに見る大きな葉

写真2009.6.15 下石黒
             晩秋の頃の様子

  写真 2018.11.8 下石黒

解 説
ユリ科
 北海道から九州に分布し、太い根茎を伸ばし年ごとに節を作る多年草
(左下写真)

 茎の高さは80〜130pで円くて少し白っぽい(左下写真)
 葉は長さ6〜20p、幅2.5〜3.5p。百合に似ているが幅が広い
(左下写真)
 花期は5〜7月ごろ。筒状の薄緑白色の花を3個ないし2個ずつ葉の付け根に下げる。花は漏斗状鐘形で長さ2〜3.5p。先端は6裂している。
(上・右下写真)
 雄しべは6個でヤクは互いに接していて中央に柱頭が1個ある
(下・左下写真)花糸の長さは7〜10mm、基部は太くなる(左写真)。
 アマドコロとの違いは、茎が丸いことで見分けられる。また、また、アマドコロのおしべの柄(花糸)の下部に微かなイボ状の突起があることで区別できる。
 名前の由来は花の様子がスズメ追いの鳴子に似ていて大きいことによる。



    オオナルコユリの若芽


写真2007.6.1下石黒 

      茎とツボミ

写真2009.5.8 寄合

オオナルコユリの花
写真2005.8.2 下石黒

      花から実へ

写真2009.6.15 下石黒

          種子

写真2009.10.21 下石黒

   初冬のオオナルコユリ写真2010.11.17 寄合