オオオナモミ
暮らしとの関わり
 石黒には自生していないが、柏崎市街地では農道や鯖石川沿いに普通に見られる。
 写真の個体は、オナモミかオオオナモミか同定に迷ったが、果実の長さが2p以上あったので、オオオナモミとした。
 しかし、果実のみならず草丈も小形のものも見られるので両者の交配種もあるのではないかと思う。今後、注意して観察したい。
 また、「オオオナモミ」という名前については、ネット上で「オオナモミ」ではないか、という指導を頂いて見出しの名前を訂正した。
 その折に、牧野植物図鑑(1989年版)で調べたが、オオオナモミは掲載されておらず、平凡社の「日本の野生植物1982年刊」にも見当たらないのでそのままにしておいた。
 今日、ネット上の植物図鑑で調べると「オオオナモミ」で掲載されているので、元に戻し「オオオナモミ」と表示した。その根拠は、「おなもみ」が「雄生揉」であれば、その大型の本種の名前は「雄生揉」ということになり「オオオナモミ」が正しいことになるからだ。
 なお、「オナモミ=生揉」は、石黒でも見られる野草「メナモミ生揉」に対して付けられた名前であると牧野図鑑にある。
※ちなみに、オナモミのナモミは「菜揉」「奈毛美」など漢字表記には諸説がある。

〔上写真2008.10.6 下藤井 右上下2009.10.27畔屋〕
               

               群生

写真2010.10.114 平井

           葉の様子

写真2004.7.4 藤井

           雄花と雌花(雌性総包)

写真2006.9.14 藤井

総包とそう果 カギ状のトゲ
写真2010.9.7田塚 写真2009.10.25下藤井

               根茎

写真2010.6.30田塚


     翌年の春に残っている種子

写真2015.4.15安政町-周りの植物はシャクとハナウド

                 群 生

  写真 2021.11.4 下藤井

              冬のオオオナモミ

写真2016.2.16藤元町
解 説
キク科
 北アメリカ原産の帰化植物でオナモミより普通に見られる一年草要注意外来植物
 全国の道ばたや川原や荒れ地などに生え、50p〜2mになる。
 茎は分枝して幹には紫褐色の筋が入る(左下写真)
 葉は長い柄があり縁には不規則な刻みや粗い鋸歯があり質はやや厚い。葉の下部の3脈が著しい(左写真)
 花期は、8〜9月。雄花はやや球状になり茎の先端に円錐状に集まってつく(上写真)
 雌花は長楕円形で雄花より下方にあり葉の元につく。雌花は2本のくちばし状突起がありカギ状トゲのある総包に包まれている。中には2個のそう果がある(下写真)
 名前の由来はメナモミに対して全体が強壮であることによる。
 薬草であり、若葉や種子は人の食用になるという解説もあるが、家畜、とくに牛、豚の中毒作用があるとのデータも見られる。



  葉の付け根につく果実(花)
写真2009.10.29下藤井

        茎断面

写真2009.10.29下藤井
    
    
茎の紫褐色の筋
写真2009.10.25藤井

   雌花のくちばし状突起

写真2006.9.14 藤井

        幼苗

写真2011.5 蒔種

  冬まで残った果実

写真2016.2.7藤元町

   冬の果実の中

写真2016.2.7藤元町