オオカモメヅル
 石黒には、イケマシロバナカモメヅルは稀にみられるが、オオカモメヅルには出会ったことはない。名前にたがえて、小型の野草であるので見落としているのかもしれない。
 上の写真は畔屋の山の雑木林の縁で撮った。とっさにイケマと思ったが葉が細くて長く先は鋭く、基部は深い心臓形であるので別種であることがわかった。
 帰宅して図鑑等で調べオオカモメヅルと同定した。
 詳しい方からご指導によると、花の様子(副花冠など)が重要な手がかりとなるので果実期では同定が難しいとのことであった。来年は、花期に観察したい。
 数日後に訪れると種子が熟し開いていた。イケマの種子によく似ている。莢を二つに割ってマッチ棒形の種子を取り出すと冠毛が見る間に開く様は神秘的だ(下写真)

写真2013.11.5畔屋


                種子

 写真2013.11.9畔屋

       絹糸状の冠毛を持った種子

写真2013.11.19畔屋
解 説
ガガイモ科
 北海道から九州の山地に生える多年草。茎は細く長く伸び他の植物に巻き付いて成長する。
 葉は対生し柄があり、形は三角状の長卵形で先は長く鋭くとがり基部は心臓形。長さは7〜12pほど。
 花期は、7〜9月。葉のつけ根に短い花穂を出して分枝し暗紫色の花をつける。
 花冠は4〜6mmで、深く5裂し、裂片に白い綿毛がある。ガクは緑色で5裂する。
 果実は袋果で長さ4〜5pの狭被針形で先はとがり、2個が水平につき長さは約5p。
 種子は平たく細長く、先端に白い絹糸状の毛がある。
 名前の由来は不明。ただ、コカモメヅルより葉が2倍くらい大きなものもあるので、葉の大きさによるものであるかも知れない。



 莢に収まっている種子の様子
写真2013.11.19畔屋