オオハナワラビ
暮らしとの関わり
 筆者の歩いた範囲でのことだが、石黒ではオオハナワラビはフユノハナワラビより個体数が少ないように思われる。あるいは、オオハナワラビの栄養葉はフユノハナワラビの葉に比べて特徴がなく目立たないせいであるかもしれない。
 オオハナワラビはフユノハナワラビに比べ葉の縁面がやや褐色を帯びたものが多く、かつ葉形が平面的である。
 石黒で、昔から鉢植えにして楽しんだのは主にフユノハナワラビの方である。
 フユノハナワラビの区別点の一つの胞子外膜の突起については未だ確認出来ないのて今年(2013)は観察してみたい。
 
〔写真2006.10.22上石黒〕


                葉の形

写真2007.10.22上石黒

              葉 裏

写真2007.10.2大野


              胞子葉

写真2007.10.2大野

   葉の裂片の鋸歯と尖った先

写真2006.10.22上石黒
  
解 説
ハナヤスリ科
 本州中部以南の低山、丘陵の森林にはえる多年草。地上部は夏は枯れるが9〜翌年4月頃まで生活する。
 根茎は地中に直立して太い根を出す。
 茎は毎年根茎の先端から毎年1本ずつ出て高さ25〜40pほどに伸びる。
 葉は長い柄をもち共通柄〔地上より直立した葉の柄〕は基部で2分し一つは栄養葉一つは胞子葉となる。全体に多少とも毛がある〔上写真〕。 
 栄養葉は軟らかなで緑色または、褐色を帯びた緑色。ほぼ5角形で2〜3回羽状に深裂する〔下写真〕。裂片には鋸歯がある(左下写真)
 最下の羽片は最大で長柄を持つが、上部の羽片ほど次第に小形で細頭、裂片は広楕円形で幅5〜6o、円頭または鈍頭で縁にあらい牙状の鋸歯がある〔上写真〕
 フユノハナワラビに似ているが、@裂片に荒い鋸歯があること、A胞子外膜にこぶ状の突起があることB葉柄などに毛が見られる(上写真)ことで区別できる。
 名前の由来は大形のハナワラビの意味。



     五画形の葉

写真2006.10.22上石黒

 栄養葉と胞子葉を2分する茎

写真2007.10.2大野

      茎と根茎

写真2007.10.2大野

    胞子散布後の子嚢  写真2004.12.4下石黒