フユノハナワラビ | |
暮らしとの関わり 石黒では「トコワラビ」と呼んだ。めったに出会わないが、一本見つけると周りに数本はある野草である。 芽を出す秋の頃は周りの草に隠れて目立たず、他の草が枯れる頃には雪に覆われてしまうため目立たないことが多い。 石黒では本種によく似たオオフユノワラビも混生している。 昔から、盆栽に興味のある村人は、フユノハナワラビを鉢植えにして家の中に置いて楽しんだ。丈余の雪に降り込められる石黒の冬に、フユノハナワラビの鮮やかな緑は見る人の心に春のぬくもりを与えてくれた。 時には大きな群生に出会うこともある。 ※参考画像→フユノハナワラビの群生 (写真上・右下2007.10.2落合 右上2004.10.27大野 右下2005.8.18下石黒 ) 全体の姿 写真2009.10.12下石黒 胞子ノウと胞子 写真2010.11.25下石黒 撮影2010.12.9 生家の屋敷跡で出会ったフユノハナワラビ 写真2016.9.18下石黒 倒壊した廃屋の庭に群生するフユノハナワラビ 写真2017.10.21石黒地内 |
解 説 ハナヤスリ科 東北以西の本州・四国・九州の明るい林床や林の縁などに多く見られる多年草。 8〜9月ごろ栄養葉をその後に胞子葉を一本ずつ出して翌年夏には枯れる。 根茎は短く直立して多肉質の太い根を出す〔左下写真〕。 茎は根茎の基部から毎年1個の葉柄を出して途中で胞子葉と2つに分かれる。 栄養葉は2〜3回羽状となり三角形ないし五角形で羽片は最下のものが長い柄を最も大きく長三角形。他の羽片は無柄で狭楕円形で、一見3出羽片のように見える。 最小羽片は長卵形。 胞子葉の高さは20〜30センチほど。 葉柄の先の方には黄色〜黄淡褐色の胞子のうを穂状につける〔上写真〕。 名前の由来は、冬につく胞子葉の先の胞子嚢穂を花に見立てたもの。 上部が枯れる 写真2016.7.3下石黒 芽が出始める 撮影2009.7.31下石黒 若 芽 撮影2005.8.30下石黒 草姿 写真2009.10.14下石黒 写真2017.10.21石黒 |
2007.10.2