オオアレチノギク
暮らしとの関わり
 石黒にはオオアレチノギクもムカシヒメヨモギも普通に見られるが、今まで区別できなかった。
 本HP「石黒の動植物」の制作を始めてから、区別点は一応頭では理解したが実物を前にすると、区別がつかないことが多かった。それでも、ヒメムカシヨモギは数年前に掲載したがオオアレチノギクは今日までページ作成を怠ってきた。
区別点としては、
@ヒメムカシヨモギと比べ、頭花はやや大きく舌状花はほとんど外にでていないで黄色い管状花だけ目立つ。
A葉の裏面に短毛が密生する。手触りはビロード状
B茎にも軟毛が密生している、等があげられる。

→下比較写真参照
 しかし、実際には判断に迷う個体もある。とくに、幼体では区別が難しい。(越冬時のロゼット状では、オオアレチノギクはビロード感触があり、それに比べヒメムカシヨモギは葉柄があり、ビロード感触はない、といわれているが・・・)
 牧野植物図鑑には、「オオアレチノギクが日本に帰化した当時、牧野はオオアレチノギクはアレチノギクとヒメムカシヨモギとの種間雑種であるという説を発表した」との記述も見られる。

写真2009.9.1 大野


区別の参考になると思われる比較画像
  オオアレチノギク            ヒメムカシヨモギ
軟毛が密生       長い毛がまばらに生える 
 
茎の葉の出方はヒメムカシヨモギの方が整然とした感じ 
 
葉の両面が軟毛に覆われる    主脈と縁に毛が見られる 
 
 全体の色がオオアレチノギクは白っぽいようだ
舌状花は総苞から上に出ない   やや小形で、白い舌状花が見える 
 写真2012.8.11 


解 説
キク科
北海道を除く全国に分布する越年草
 昭和の初めごろに(1930頃)に渡来した南アメリカ原産の帰化植物。それ以前(1890ごろ)に渡来したアレチノギクを駆逐して全国的に広まった。
 生育期間は11月から翌年の10月までで、その後は灰緑色で白い軟毛に覆われた披針形の葉(ヒメムカシヨモギはスプーン型)を多数ロゼット状につけて越冬する。
 茎の高さは1〜2m。直立して多数の葉をつけ夏になると茎上部に密に側枝を伸ばして円錐状に小さな頭花を無数つける。
 茎と葉ともに軟毛があり葉は長さ8cm内外で基部は葉柄となる。
 花期は8〜10月。形は俵状で長さ約5mmほど。ヒメムカシヨモギに比べて大きい。また、舌状花は汚白色、極めて細く長さ4mmほどで総苞の外にほとんど出ない。
 そう果冠毛は淡褐色。
 名前の由来は大形のアレチノギクの意味。



        幼苗 

写真2006.7.21板畑 嶽

       茎の軟毛
写真2012.8.11 

      種子散布
写真2011.8.26上石黒

市街地コンクリート隙間の個体

写真2012.8.16松美町