オニヤブソテツ | |
暮らしとの関わり オニヤブソテツは、もともと海岸に多い植物であり、石黒のような山間部では見られない植物である。ところが、2004年10月に寄合地内の道路沿いの土砂崩れ防止のコンクリートのすき間に生えているオニヤブソテツに2ヶ所で出会って驚いた。おそらく、工事用の砂などに混じって運ばれたものであろう。 その後、8年(〜2012)にわたって観察しているが、ほとんど成長していないばかりか、昨年あたりから周囲の雑草が次第に繁茂してきたためか衰退の様子が見られる。 また、かつて、筆者は石黒の生家の庭に移植したことがあるが、年々、弱体化して4〜5年で消滅したことを憶えている。その折、同様の幼苗を市街地の自宅にも植えたのだが、こちらは年々成長して巨大といいたいほどの株になった。 柏崎市の鯨波海岸付近の岩斜面などでは群生が〔下写真〕みられる。石垣の上におびただしい数のオニヤブソテツの幼苗が張り付いている様も見られる。 上の写真は西山町の民家の庭に自然に生えたオニヤブソテツである。10年ほど前に筆者は西山の海岸沿いの山部で驚くほどの大株のオニヤブソテツを見たこともある。 石黒で普通に見られるヤブソテツも雄々しいが、こちらは「オニ」が付くだけ一層逞しい感じのする植物だ。 (写真上 2012.7.17 西山町大崎 右上柏崎市鯨波) 石垣上の群 生 写真2010.3.12鯨波駅付近 海岸の岩上に生えた個体 写真2010.3.12笠島海岸 道路端に生えたオニヤブソテツ 写真2010.3.12笠島 市指定有形民俗文化財の立地蔵の脇の個体 写真2015.11.1西本町 冬の寒さに葉の枯れた様子 写真2015.3.6 鯨波海岸鬼穴付近の岸壁 |
解 説 オシダ科 北海道日高以西の海岸地方に多く見られる常緑性の強壮な多年生植物。内陸部には、ごく少ない。 根茎は太く短い。 葉は革質で有柄、根元から束生し長さ60〜90p、幅10〜25p。柄は堅く濃褐色の鱗片でおおわれていて下部は広卵形。 葉身は細長く表面には著しい艶がある。1回羽状にわかれ羽片は3〜11対。縁はほとんど全縁、または波状の鋸歯、希に不規則な鋭い鋸歯をつけるものもある。 胞子は葉の裏側に散らばって出来る。(上右下)。 よく家の庭の石組に植えられる。 名前の由来は「鬼藪蘇鉄」でヤブソテツより強健であることによる。 石黒地内で見られる個体写真2007.10.1寄合 絶壁岩上の個体 写真2010.3.12鯨波 葉と胞子嚢 写真2010.3.12笠島海岸 小葉の表裏と胞子 写真2010.3.12笠島海岸 冬の様子 写真2015.12.9出雲崎 先方は代官所稲荷 庭に植えられたオニヤブソテツ 写真 2019.5.4柏崎市街 |