オカトラノオ | |
暮らしとの関わり 石黒では「エドスッカンボ」と呼んだ。 太平洋戦争の頃の子どもたちはこの若芽を食べた。スイバの葉ような味がしたことを憶えている。 花が独特でよく目を引く植物である。花穂が真っ直ぐのヌマトラノオも端然とした姿でよいが、オカトラオの大型の花が緩やかに垂れ下がり先端がぴんと上がった姿には一層の美しさがある。 また、小花をよく見るとサクラソウ科の名に恥じず美しい。 時には小さな群落を見かける。(参考画像) また、希に、秋の紅葉が美しいものがあり目をひく。〔下写真〕 茎の基部が赤いのは普通のことだが、先日(2010.6.25)下石黒の釜淵の近くで茎のほぼ全体が赤いオカトラノオと出会った。→参考画像 写真2010.7.1落合 右上下2010.11.1上石黒 若芽の頃 撮影2012.5.22 下石黒〔上参考画像・茎の赤い種〕 オカトラノオの若草 撮影2008.5.8寄合 花穂の出そろう頃のオカトラノオ 撮影2009.6.19寄合 花の拡大 撮影2007.7.2上石黒寄合 オカトラノオの紅葉 撮影20081112板畑 全体の草姿と葉の互生 撮影2009.6.7下石黒 海岸のオカトラノオ 撮影2012.6.22柏崎海岸 |
解 説 サクラソウ科 沖縄を除く日本各地の山野の日当たりのよい場所に見られる多年草。 地下茎は長く横に這う(下写真)。 茎は円柱形で枝分かれせず直立し高さ60〜100p。茎基部と葉の付け根は紅紫色を帯びる〔左下写真〕。 葉は互生し、長さ6〜15p、幅は2〜5p。短い柄があり先端はとがり全縁で縁には毛がはえ葉肉中には細かな油点が散在する(下写真)。 花期は6〜7月。茎の先に多数の花を密に穂状につける。花穂は直立せず上部は傾く(左上写真)。花穂の長さ10〜30p、直径2〜3p。花は白色で径5〜9o。雄しべは5本、雌しべは1本〔左写真〕。 さく果は球形で径約2.5o。永続性のガクに包まれている〔下写真〕。 名前は、岡(丘)に見られ、花穂が獣の尾に似ていることによる。(下写真) カトラノオ若芽 撮影2008.5.10寄合 葉の油点 撮影2010.6.30下石黒 茎の断面 撮影2007.6.17下石黒 花序誕生 撮影2005.6.18下石黒 花穂 撮影2009.6.19寄合 さく果と種子 撮影2009.11.24下石黒 横に這う根茎 撮影2010.6.30下石黒 |