ヌマトラノオ | |
暮らしとの関わり 夏の炎天下にふさわしい花といえば真紅の花であるが、人が好んで眺めるのは白い花であろう。山百合やヌマトラノオなどの白い花は涼感を誘う。 また、オカトラノオやヌマトラノオの花は、一つ一つ見ると、さすがサクラソウ科にふさわしい見事な花である。〔右上写真〕 ヌマトラノオはオカトラノオに比べてやや小型であるが、こじんまりとして直立した花穂の美しさは勝るとも劣らないと思う。 (写真2005.8.1 上石黒) 花期前 写真2010.6.30 上石黒 花期 写真2005.8.1 下石黒 荒らし田の中のヌマトラノオ 写真2007.8.10 寄合 全体の草姿 写真2009.7.17 落合 花柄の基部の線形の包葉 写真2005.8.1 上石黒 |
解 説 サクラソウ科 本州、四国、九州各地の湿地や沢沿いなどに生える多年草。 根茎を地中に長くのばして繁殖し群生する〔左写真〕。 茎は円柱形で高さ40〜70p、ほとんど枝分かれしない〔左写真〕。基部は赤味を帯びる。 葉は互生し無毛で全縁、長さ3〜8p、幅1〜2p。葉肉に細かな油点が散在する。短い柄がある。 花期は7〜8月。茎の頂上に直立した総状花序をつける。白い小花が多数つける。(オカトラノオのように先が曲がらない) 小花の径は5〜6oで、花柄は3〜4o。無毛またはわずかな腺毛がある。基部に腺形の包葉がある〔左写真〕。 ガクは5個深く裂け、裂片は卵状楕円形で鈍頭。背面に黒点がある。花冠は5裂し径5〜6o裂片の先は鈍形。5個の雄しべと1個の雌しべをもつ〔上写真。〕 さく果は球形径2〜2.5oで永存性のガクに包まれる。 名前の由来はオカトラノオに対して沼地に生えることによる。 葉の細かな油点 写真2010.6.30 上石黒 5個に深裂したガク片 写真2005.8.1 上石黒 ガクに包まれたさく果 写真2005.8.1 上石黒 包葉と花柄の腺毛 写真2011.8.9 上石黒 長い根茎と赤味を帯びる茎基部 写真2009.7.17 落合 |