ノコンギク
暮らしとの関わり
 石黒ではノコンギクもユウガギクも区別せず「ノギク」と呼んだ。
 ノコンキクは、道ばたに多く見られ秋の山道を彩る代表的な花と言えよう。高く澄んだ秋の空の下によく似合う草花である。上の写真は、落合集落の入り口の道沿いで撮ったものである。
 子どもの頃、こんな景色の山道を通って秋遠足に行った思い出が蘇るような気がする。
 伊藤左千夫の「野菊の墓」に登場する野菊はノコンギクであるといわれる。
 一般に野菊と呼ばれる種の区別は筆者には難しい。ユウガギクとの比較写真を作ってみたが比較のポイントに改良の余地があるので更新していきたい。→ユウガギクとの比較
 今日(2012.10.16)、平井の山地で絢爛と咲いているノコンギクに出会った。→写真

(写真2004.10.13落合  上右上写真2009.10.14大野)
 
          

写真2009.10.14大野

         道端に咲くノコンギク

写真2004.10.13落合

             葉のつき方と形

写真2004.10.13落合

            花期の様子

写真2009.10.14大野

          そう果の長い冠毛
      写真2011.10.8下石黒


解 説
キク科
 本州・四国・九州の日当たりの良い道ばたなどに多い多年草
 地下茎は横に這って繁殖する。
 茎は直立し30〜100p。やせ長で縦に線が通り
(下写真)ざらつき短毛があり枝分かれする。
 根出葉は柄があり花時には枯れる。茎葉は長楕円形〜卵形と変異があり多数互生し粗い鋸歯がありざらつき、両面に毛があり、下部の3脈が明瞭である。長さ6〜12p、幅は3〜5pで鋭頭または鈍頭
〔左下写真〕
 花期は9〜11月。多数の頭花散房状につける・花の径2、5pほどで薄紫色の舌状花に囲まれていて中央は黄色。緑色の総包片は半球形で上部はしばしば暗紅紫色を帯びる。舌状花冠の色には個体や環境により濃淡の変化がある
〔下写真〕
 そう果は1.3〜3oで粗毛があり
〔左下写真〕4〜6oの長い冠毛があることでヨメナと区別できる。
 名前の由来は、野に咲き花色が紺であることによる→野紺菊。 



        管状花

写真2009.10.14大野

    紫色の総苞片上部

写真2009.10.14大野

   明瞭な葉の株の3脈

写真2009.10.14大野

       茎の縦線

写真2009.10.14大野

      つぼみ様子

写真2009.10.14大野

        果実期

写真2011.10.8下石黒