ノビル

暮らしとの関わり
 石黒でしばしば見られる植物である。余り目立たないこともあるがアサツキに比べて少ないようだ。。
 また、石黒では昔から食用としては余り用いられなかった。
 ノビルは、花冠にムカゴができるばかりか、地下の鱗茎が分球して増える。〔下写真〕
 とくに、花は一つもできずムカゴばかりの花冠が多く、花をつけてその後にムカゴをつける個体もあることなど興味ある植物である。
 種子は、3室の果実が裂開し各室2個の黒い種子があるが未だ撮影の機会に恵まれない。留意して観察してみたい。

写真2012.6.3板畑


              全体の様子

写真2012.6.3板畑

                鱗茎と分球

写真2011.5.19下石黒 政栄


解 説
ユリ科
 日本全国の畑や農道などに生える多年草
 鱗茎は白色で広卵形または円形。
 茎は柱状で高さ60p内外で下部に2〜3個の葉を出す。
 葉は長さ20〜30p、茎と同質で細く長く下部はサヤとなり半ばより上は断面が三角状で上面には浅い溝がある。  
 花期は5〜6月。茎の先端に花序をつける。花は白紫色で花序の基部には膜質の卵形の先の尖った総包葉片2個がある。
 花序が開く前には総包葉は花序を堅く包んで鳥の長いくちばしのように見える〔上写真〕
 花被片は6個、楕円形で4〜6o。色は白色または微紅色を帯びる。雄しべは6個で花被片より長い。花柱も花被片より長い〔上写真〕
 花序には花の一部あるいはすべてが珠芽〔ムカゴ〕に変わるものが多い。鱗片は昔から食用にされる。
 名前の由来は野に生える蒜〔ひる−ネギ、ニンニク類の総称〕の意味。



        珠芽


写真2007.5.30大野