ナンバンアカバナアズキ | |
生活とのかかわり 故郷の石黒では出会ったことはない。市内でも2度出会ったばかりで、希な植物と思われる。上の写真は2014年に市内新道の農道で出会った個体で、農道脇の田の畔周りに十数株が生えていた。 帰宅後、WEB上で調べると「ナンバンアカバナアズキ」であろうと、ほぼ同定された。筆者の所持している植物図鑑では、「日本の野生植物」(平凡社)に関連項目として簡単な記載がみられるのみのみである。今後も継続観察して、種子散布から発芽まで様子を観察したいと思う。WEB上で調べると小葉の形が異なる資料が見られるが、右の解説にもあるとおり、葉の幅は1.5〜3pと披針形から卵形に近い形の葉の個体もあることが分かる。本サイトに掲載の個体は後者のものと思われる。 ところで、これが、ナンバンアカバナアズキであれば、どのような経路で、柏崎に種子が運ばれ発芽して開花に至ったか、大いに興味のあるところである。 WEB上で調べてみると、南米原産で沖縄など南西諸島にのみ分布する帰化植物であったが、現在では九州でも見られるとの情報があった。さらに検索を重ねると本州にも自生の情報も見られる。 ちなみに、本種は在来種絶滅の危険性から警戒される一方、飼料、緑肥、連作障害除去、根粒塊による土壌改良などの有用性にも着目されている。 なお、本種について詳しい方の御指導を仰ぎたい。 7月21日(2023年)の梅雨明け以後、ほとんど雨らしい雨が降らず8月に入ると毎日のように33〜38度の猛暑が続き、そのまま9月に入り、漸く昨日より朝晩は多少涼しくなった。とは言え日中は33度以上となり依然として熱中症要注意の暑さである。 今日(2023.9.3)下藤井方面に自転車ででかけると、昨年とは異なる場所でナンバンアカバナアズキの群生に出会った。 上写真2014.9.23 新道 つぼみの頃 写真2014.9.23 新道 つぼみの頃 写真2022.11.3 下藤井 開花のころ 写真2014.9.23 新道 真正面から見た花冠 写真2022.11.9下藤井 葉の形(裏面) ※右スケッチと比較 写真2014.9.23 新道 全体の姿 写真2014.9.23 新道 観察用幼苗 写真2023.7.17松美町 草 姿 写真 2023.7.27 松美町 花序の様子 写真 2023.8.17. 松美町 さや果の付き方の様子−1 写真2023.8.26 松美町 果実期の様子 写真2023.9.3 下藤井 ※下記の昨年の写真と比べ2か月の差があるが、下の個体は二番草 (一度刈り取られた個体)であろうか。それとも、今年の異常な高温の影 響であろうか。下2枚目の写真は果実期の様子から場所によるものか。 群 生 写真2022.11.3 下藤井 背景−黒姫山 果実期 写真2022.11.3 下藤井 背景−八石山 写真2022.11.22 下藤井 |
解 説 マメ科 中南米原産の帰化植物。 一年草または二年草。日本では、太平洋戦争直後(1945年)に牧草として南西諸島に導入された。 耐湿性に強い。 草丈は60〜100pほど。茎はよく分枝し、初めは白色の圧毛がある。 葉は互生し、3出複葉からなり、形は狭卵形〜披針形。長さは4〜5p、幅1.5〜3p・先端は尖り、基部は鈍形〜くさび形。葉の縁は全縁。表面は無毛だが裏面には軟毛がある。葉の柄は4pほど。托葉は狭い卵形で長さ5〜10p。 花期は5月〜10月、暖地では一年中。花は総状花序で、まばらにつき、花冠は赤紫色〜赤褐色。旗弁は小さく翼弁は大きい。竜骨弁は1回転して内側に巻き込む。 果実は細長い棒状 のさや果で長さは7〜10cmで中に2〜3mmのいびつな種子がある。(1さやの種子数は筆者がこのサイトの個体で調べたところ9〜16個であった)。 名前の由来は「南蛮赤花小豆」。別名「タチナンバンアズキ」との情報あり。意味はツルにならない小豆という意味であろう。 ※「ナンバンアカアズキ」は樹木であり別種。 幼 苗 2023.6.28−観察栽培 葉腋から出る花序 2023.7.27−観察栽培 つぼみの頃の花序の様子-1 2023.7.25−観察栽培 つぼみの頃の花序の様子−2 写真2022.11.3下藤井 つぼみ〜開花 写真2022.11.3下藤井 大きな翼弁と小さな旗弁 写真2014.9.23 新道 全体の草姿 写真2022.11.3 下藤井 個体による小葉の形の様子 写真2023.7.27松美町 中空の茎 写真2014.9.23 新道 根 粒 写真2014.9.23 新道 写真2022.11.3下藤井 さや果の付き方の様子-2 写真2023.8.26 松美町 果実期へ 写真2023.9.3 下藤井 鞘と種子 写真2022.11.3下藤井 写真2022.11.9下藤井 果 穂 写真2022.11.9下藤井 種子 写真2022.11.9下藤井 種子 写真2022.11.9下藤井 |