ミヤマシシウド
暮らしとの関わり 　石�Kではケナシミヤマシシウドと区別することなくサイキと呼んだ。 　村の古老の話によれば、昔は、初夏にサイキを刈り取り押し切りで切り刻んで堆肥を作る家もあった。とくに、牛馬を飼育しない家では堆肥づくりにはいろいろな工夫をしたとが伝えられている。 　花は６月下旬から咲き出し７月のころが盛りである。白い花が咲くと山の斜面にミヤマシシウドの群生していることが分かる。（下写真） 　先日、花の開く過程もよく観察したがなかなか面白いと思った。→写真「花の咲くまで 　石黒にミヤマシシウドが自生しているかどうかは、筆者にはシシウドの区別点は後者の葉が広いなど特色はあると聞くがよく分からない。石黒に見られるものはミヤマシシウドであると思う。 　なおケナシミヤマシシウドとの区別は、葉のつけ根、葉柄、葉の主脈〔葉肋〕、花冠の付け根に毛が見られること、その他、葉の下面がやや白色を帯びること、開花時期はケナシミヤマシシウドが８月以降に開花するのに比べ６月下旬から開花が見られることがあげられるが、更に比較観察を続けたい。 　今年（２０１０）７月下旬に上石黒の国道沿いに自生するものを１０種ほど調べるが花冠の付け根に上に記載した寄合の個体のような毛が見られない。開花時期も寄合のものより半月ほど遅れることから、７月中旬から山腹の所々に白い花をさかせているものはケナシミヤマシシウドではないかと思っている。しかし、開花時期について若干疑問が残る。来年度はさらに範囲を広げて観察してみたい。 （写真2010.6.18 寄合 上右下2004.6.18寄合） 　　　　. 　 　　　　　　　　　　　　　　　　群生 写真2014.6.26莇平 　　　　　　　　　　　　花のつけ根の毛 写真2014.6.26莇平 　　　　 　　　　果実期のミヤマシシウド-1 写真2010.8.1上のメイン写真の同個体　寄合 　　　　　　　　果実期のミヤマシシウド-2 写真2010.8.1上のメイン写真の同個体　寄合 　　　　　　　　　　　　　　初冬の頃の様子 写真2012.12.1板畑　嶽	解　説 セリ科 　本州の深山の山地の草むらに自生する大型多年草。 　茎の高さは２メートル内外。 　葉は大形で２〜３回３出羽状複葉で、小葉は卵状長楕円形。 　花期は６〜７月で、ケナシミヤマシシウドと酷似した花をつける。 　ケナシミヤマシシウドとは、花期の時期と葉の裏や付け根、花の付け根に毛があることで区別できるいわれる。 　果実は両側に翼があり、長楕円形で長さ６〜８�o。 　名前の由来は、深山に生え大型でイノシシが食うのに適したウドと見て名付けられたものという。 　 　　　　　　葉のつけ根の毛 写真2010.4.24寄合 　　　　　　茎葉の毛 写真2010.4.24寄合 　　　花冠の付け根の毛 写真2010.６.１８寄合 　　　　　　　　果実 写真2010.8.1寄合 　　　　　翼のある果実 写真2012.12.1板畑　嶽