マコモ | |
暮らしとの関わり 石黒ではごく稀で、板畑の嶽の用水池に1個所見られるのみである。昔は7月ごろにこの葉を刈り取り、乾燥させてコモを編み、編んだコモは田の草取りのときに背中に当てて日よけにしたりしたという。 また、一種の病菌におかされると茎がタケノコのように太くなるが、これをマコモダケと呼び料理で珍重される。 最近、栽培もされている。右下の写真は落合の大橋光子さんが栽培したものである。味は、甘みがありさっぱりしていて美味しい。 日本では昔、成熟した黒穂の粉を眉墨に用いたと伝えられる。 今朝(2020.5.29)、ピッカラ放送で西山のハクチョウおじさんこと庭山進さんが長嶺の池にハクチョウがやって来るようになったのは彼らが好むマコモが自生していたことによる、と述べられていた。 〔写真2006.7.20板畑〕 ビデオ資料→花期の頃のマコモ 春のマコモ (写真2007.6.1 板畑) 夏のマコモ (写真2006.7.30 板畑) マコモの花 (写真2007.9.1 板畑) 雄花と雌花〔出穂前に取りだしたもの〕 写真2007.8.19 板畑 雌花 写真2009.8.17 板畑 雄花 写真2009.8.17 板畑 秋のマコモ 写真2007.10.26 板畑 写真2014.11.6 刈羽 排水路に繁茂したマコモ 写真202018.7.24 藤井 |
解 説 イネ 北海道から九州の池沼や河川の縁に群生して生える大形の多年草。 地下茎は泥のなかにあり太く短い根茎と多肉の走出枝がある。葉と茎を群がり生える。 茎は太い円柱形で中空〔下写真〕。高さ1〜2m、太く平滑で無毛。 葉は粉緑色を帯び、長く幅広く、長さ40cm〜1m、幅2〜3p。縁はざらつき下部は次第に狭まり丸い鞘となりガマの鞘のようになる〔上写真〕。鞘は厚く背面は丸い。葉舌は白色で長三角形てせ先画とが尖る。鞘部は空気を含む網状の層をもつ(下写真)。 花期は8〜10月。30〜50pの大形の円錐花序を直立し、多数に枝分かれして密に小さな穂をつける(下写真)。 上部の小穂は雌性で線状の皮針形で1個の雌花からなり、淡黄緑色。長さ18〜25p先は長い芒となり護穎と内穎の2片からなる(左下写真)。 下部の小穂は雄花で淡い紫色を帯び長さ8〜12oの狭皮針形、先は尖るが芒とはならず、護穎、内穎及び6個の雄しべからなる(左下写真)。雌雄小穂とも非常に脱落し易い。 果実は円柱形で長さ1pほど。 一種の病原菌が寄生すると茎が竹のこのように肥大し軟化し花ができない。これをマコモ竹と呼び食用とされる。(下写真) 名前の由来は諸説があるが、「真菰」と書き敷物や衣類を作ったことによるとされる。 マコモダケ〔栽培〕 (写真2007.10.2落合) さや状の茎の下部 写真2009.8.17 板畑 葉の鞘部の空気層 写真2009.8.17 板畑 基部茎切断面 写真2009.8.17 板畑 花穂-1 花穂-2 写真2006.7.28 板畑 花期 写真 2018.8.4藤井 |