クモキリソウ
暮らしとの関わり
 昔といっても20年ほど前〔1980年頃〕であるが、広葉樹林の木陰によく見られたものだが今では容易に出会うことのできない野草の一つとなってしまった。
 花は目立たないが、きりりとした二枚の葉と真っ直ぐに伸びた花茎の調和は絶妙である。
 方言の呼び名は伝わっていない。
 先日、ブナ林の中で小群生にであった。(参考画像)

(写真上・右上中2005.7.1下石黒 右下2005.10.13下石黒)


              花期前
写真2007.6.13下石黒

           花のつくり

写真2005.7.1下石黒

    花下の微細な包葉

写真2005.10.13下石黒

         偽球茎と幼苗の姿


写真2009.6.11下石黒

      ブナの根元で開花するクモキリソウ
写真2014.7.2下石黒

   ミヤマナルコユリ、ツルリンドウ、チゴユリと共に

写真2005.10.13下石黒
              初冬の姿

写真2013.12.3下石黒

解 説
ラン科
 沖縄を除く日本各地に自生する多年草。分布は日本全土であるが数は少ない。薄暗く少し湿った広葉樹林下に多く見られる。
 偽球茎は卵球形で、多くは地上に露出して枯れた葉柄の残りでつつまれていて緑色。
 葉は2枚、楕円形で鈍頭。縁は細かく波打つ長さ5〜12p、幅2.5〜5p〔上写真〕。基部はやや短い鞘となる〔下写真〕
 花茎は長さ10〜20pで直立する〔上写真〕
 花期は6〜8月。葉の間からのある緑色の花茎を直立し花〔総状花序〕をつける。花の数は7〜12個ほど。花の色は淡緑色〔アオグモと呼ぶ〕の他、変種として淡暗紫色〔クログモと呼ぶ〕があり、径は約1p。花下の包葉は1〜1.5oでごく小さい〔左写真〕
 ガク片は狭長楕円形で鈍頭、長さ6〜7o。側花弁〔左下写真参照〕は狭線形で鈍頭、長さはガク片と同じ。唇弁は長さ5〜6o、反曲してクサビ状倒卵形、中央に浅い溝がある。ずい柱は長さ 3o、低い稜があり、上端に狭いがある〔下写真〕は頂生し花粉塊は蝋質。
 名前の由来は不明だが花が蜘蛛に似ている、カマキリに似ているためなどの諸説がある。



     唇弁の浅い溝

写真2005.7.1下石黒

      ずい柱

写真2009.7.6下石黒

        若芽

写真2014.5.8下石黒

写真2012.5.31下石黒

        幼苗

写真2010.6.10下石黒

   ブナの大木の傍らに
写真2011.7.21下石黒

       花序
写真2014.7.2下石黒