コバギボウシ | |
暮らしとの関わり コバギボウシは石黒では希に見かける植物のひとつである。 上の写真は大野集落の入口の沢沿いに百本ほどの群落を作っていたものである。 他には、落合集落の上越市寄りの田の周りなど数カ所見かけた。その後寄合の放棄田で大きな群落をみたが数年後にはヨシの進入で姿を消した。 落合で2007年の夏に、たわわに花をつけたコバギボウシに出会った。→右下写真 オオバギボウシと異なり花茎を直立するところが花を引き立てて姿を美しくしているように思う。 花の色は薄いもの濃いものと変化に富む。葉の形も発育に伴い変化するため幼苗においては特に同定が難しいように筆者には思われる。 一日花であるが下部から次々に開花するのでしばらくは楽しめる。 (上写真2005.8.29大野 右上2005.7.19下石黒) 若芽 写真2007.5.17寄合 放棄田に群生するコバギボウシ 写真2006.5.23寄合 白味を帯びた色の花 写真2009.8.24大野 濃い色の花 写真2008.8.16上石黒 |
解 説 ユリ科 北海道から九州の山野の水ぎわや沢沿いの湿地に生える多年草。 根茎は多肉で白くはって枝わかれする。高さは30〜40p。 葉は、斜めに群がって立ち、変化に富むが普通長さ10〜15p。長楕円形で先は尖り基部は急に柄に沿って下がり柄の翼となる。色は深緑色のものが多い。縁には波状が見られるものが多い。 花期は7〜8月。葉の付け根から茎を伸ばしてやや下向きにろう斗状の淡紫色の花を数個付ける。 花には濃い紫色の筋がある。(左下・上左写真)花の色や形は変化に富む。花の長さは4〜5p。雄しべは6個、1個の雌しべがあり長く前方に突き出る〔左下写真〕。 さく果は長楕円形で熟すと3片に割れて開き黒色の薄い種子をとばす〔下写真〕。 よく似たミズギボウシは愛知県以西に分布。 名前の由来は葉の小さいギボウシの意味。 沢の岩状の若芽 写真2009.4.10寄合 記録的少雪 波状の葉の縁 写真2007.6.29寄合 花 写真2009.7.7寄合 たわわについた花 写真2007.8.26落合 さく果と種子 写真2009.10.12大野 |