オオバギボウシ | |
暮らしとの関わり オオバギボウは、石黒では普通に見られる植物である。大きなものは、葉柄の長さが40pにも及び草丈80p余のものも見られる。葉は整った葉脈が美しい。→参考画像 筆者の観察によれば、オオバギボウシの葉は生育場所によって大きさや形にかなりの変化が見られるように思う。しばしばミズギボウシのような形の葉の個体も見られる(右下写真)。 全体の姿と花には気品が感じられ、昔から観賞のため庭園に栽培された。また、若芽や茎はは山菜として、昔から人々に親しまれた野草である。 石黒では、ウルイと呼び、若芽がまだ筒状のうちに採取して、お浸しにして食べた。〔写真右下〕 また、昭和の初めには、初夏に大きく生長した葉の柄を採取して、皮を引いてさっとゆでてムシロの上に広げて天日に干した。ゼンマイと同様に時々揉んでやりながらカラカラになるまで乾燥した。(参考画像) 食べ方は、水に浸して戻し他の野菜と一緒に煮る。味は、しこしこした感じで癖もなく誰にも好まれた。 乾燥した後の見た目が、カンピョウに似ていることから「ヤマガンピョウ」と呼ばれた。 (写真上2005.6.18下石黒 右上2005.6.23寄合 右下2005.11.6板畑 ) 太い根茎 写真2009.4.10下石黒 他の野草と共に若芽を伸ばすオオバギポウシ 写真2011.5.11下石黒 石黒川付近 葉が開くまでの形 写真2007.5.10下石黒 岩上のオオバギギボウシ 写真2010.5.16寄合松沢川 オオバギボウシの群生 写真2009.5.28下石黒 大きな葉 写真2015.5.27下石黒 オオバギボウシのある風景 写真2009.5.18 下石黒 石黒川釜淵付近 オオバギボウシ全体の姿 写真2009.6.3寄合 冬のオオバギボウシ地上部 写真2014.1.5 畔屋 翼を持った種子が舞い上がり庭石隙間で発芽? 写真 2018.10.2 下石黒 |
解 説 ユリ科 北海道から九州の山地の湿ったところに多く生える多年草。生育地により大小等変化に富む. 根茎は地際にあり太い(左下写真)。 草丈は、50〜100p。葉は心臓形で大きいものは長さ30pを超え、緑白色の葉柄は溝形で50pに及ぶものもある。葉裏脈上に小突起がある(下写真)。 7月頃に、多数の白い花が固まって付く。花の長さは4〜5pで細い漏斗状をして広がり6裂片は平開はしないが開く。花の下にある包葉は卵状の楕円形で白質化している(下写真)。雄しべは6個で基部は雌しべに合着する。花は1日花で花茎の下部の方から順に開く。 芽や若葉は、山菜となり、生長した長い柄も食用となる。 果実はさく果で種子は多数で翼をもつ。長さは4〜5o。 名前の由来は、蕾の形が擬宝珠(灯籠の最上段に置かれる玉)ににていることによると言われる。(下写真) オオバギボウシ若芽 写真2006.5.8寄合 つぼみ 写真2011.6.9 落合 開花へ-1 写真 2018.6.15 上石黒 開花へ-2 写真 2018.6.15 上石黒 開花直前 写真 2004.6.18 大野 つぼみと包葉 写真2009.6.3寄合 開花の様子 写真上2004.6.24下石黒 葉の細い個体? 写真2010.6.18 釜坂頂上付近 ※葉が非常に細いが花はオオバギボウシと同じである。 6個のおしべ 写真2010.6.18寄合 葉裏脈状の小突起 写真2011.11.4下石黒 果実(さく果) 写真5018.10.3下石黒 果実と種子 写真2015.10.3下石黒 完熟した果実と種子 写真2015.10.23下石黒 オオバギボウシ冬の上部 写真2008.12.3下石黒 |