キンエノコロ | |
暮らしとの関わり 石黒では、エノコログサと区別せず「ネコジャラシ」とよんだ。昔は、エノコログサやアキノエノコログサが圧倒的に多く、キンエノコロは少なかったが、今はキンエノコロの方が多く見られ、放棄田などで大きな群生に時々出会う。〔上・下写真〕 朝夕の逆光の中で見ると、まさに黄金の穂波である。先日(2011.9.27)撮影の帰り道、村はずれの荒畑に生えたキンエノコロを夕日の中で見て神秘的な美しさに息をのむ思いであった。→参考画像 石黒では、昔はこのような景色に出合うことはなかった。 また、キンエノコロは人里離れた山奥には見かけず、生えている場所は人家の近くや田畑のまわりに限られるように思われる。 (写真2004.10.30 寄合) キンエノコロの群生 写真2007.10.16 下石黒 写真2010.9.26 花坂新田 写真2015.9.29平井 写真2007.10.5 居谷 キンエノコロの花 写真2007.10.16 落合 エノコログサと混生するキンエノコロ 写真2007.10.16 落合 |
解 説 イネ科 日本全土の道ばた、畑の脇などに普通に見られる一年草。 茎は基部で分かれて株となって真っ直ぐに、ときには斜めに立ち上がる。長さ20〜60pほど。 葉は、細長い腺形で、先は次第に細くなり先はとがる。葉の質は柔らかで縁には細かい鋸歯がある。葉鞘の背には稜がある(下写真)。 花期は8〜10月。茎の頂に円柱形の長さ3〜8pのくらいの花穂をつけ多数の花を密生する〔上写真〕。 枝穂は2小穂からできていて一つは両性花、もう一つは不稔花頴である。小穂は1花からなり、その短柄の基部には黄金色の剛毛〔芒ではない〕が多数ある〔下写真〕。 第1穎は退化して小さく3脈がある。第2穎は小穂の半分で3〜4o、5脈がある。第3穎は小穂と同長で5脈がある。包穎、穎はすべて芒をもたない〔下写真〕。雄しべ3個と雌しべがある。 キンイノコロはアキノエノコログサのように穂はたれないで直立する。 名前の由来はその花穂が金色に見えることによる。 葉の縁の極小の鋸歯 写真2010.10.19 下石黒 小穂の剛毛と脈 写真2009.9.17 寄合 小穂の穎 写真2008.10.12 下石黒 葉鞘の稜 写真2010.10.17 下石黒 |