カワラサイコ
 2昨年(2011)から、海浜植物を始めたが、3年目の今年も念願のカワラサイコとハマウツボに出会うことができずに秋を迎えてしまった。
 ところが、先日、WEV上で「潮風ふらわーずヒル」という素敵な名前の海浜植物観察園が米山小学校にあることを知り、早速、お願いをして見せていただくことができた。
 そこは、校舎西側の小高い場所にあり、およそ20アールほどの広さで日本海が眼前に広がり素晴らしい眺望であった。
 察するに、この観察園は海岸に面していながら、信越線によって浜辺と分断されているうえ、砂浜が少なく身近に海浜植物が見られない子どもたちのために造られたものであろう。
 ここには、およそ50種の草木が見られたが、そのうち一般に海浜植物とよばれるものは17種ほどあった。中でも、コマツナギの群生には驚かせられた。コマツナギは柏崎海岸では絶滅が心配される希少植物であるからだ。
 本種カワラサイコも十数株が確認できたが、すでに果実期で花は見ることはできなかった。来春の花期には是非見学させていただきたいと思っている。
 
写真2013.10.20 米山小観察園 右2014.7.21米山小観察園


                花期-1

写真2014.7.21米山小潮風フラワーズヒル

              花期

写真2014.7.21米山小潮風フラワーズヒル

     花弁〔ガク片〕が落下して下のガク片が見える
写真2014.7.21米山小潮風フラワーズヒル

              羽状複葉
写真2013.10.20 米山小 観察園

           ガク片と副ガク片

写真2013.10.20 米山小 観察園

            小葉と裂片の尖る先端
写真2013.10.20 米山小 観察園


解 説
バラ科
 本州から九州の海辺や川原の砂地に生える多年草
 根は肥大し長く直下する。
 茎は株立ちしやや粗大で下部は直径4mmにもなる。茎の上部は長毛が生える。高さ30〜70p。川原などでは茎き基部で分枝して四方に広がる。
 葉は互生羽状複葉小葉は15〜25個でさらに深裂した羽状となり裂片の先端は尖る。縁は全縁で乾燥すると下方に巻き込む性質がある(下写真)
 花期は6〜8月。茎の先端は分枝した花序となり多数の花をつける。花は黄色で直径10〜15mm。ガク片は狭卵形、副ガク片線状楕円形(左下写真)。花弁は倒卵形で花床には毛が見られる。
 そう果は卵形で背面にがあり側面には細かな皺がある(下写真)
 名前の由来は三島柴胡(ミシマサイコ-静岡県の三島市が産地として知られた生薬)に似ていて川原に生えることによる。



      花のつくり
写真2014.7.21米山小

       つぼみ
写真2014.7.21米山小

       花の様子

写真2014.7.21米山小

    吸蜜するハチ
写真2014.7.21米山小

      花弁落下後
写真2014.7.21米山小

       茎の毛
写真2013.10.20 米山小観察園

        そう果
写真2013.10.20 採取 観察園