コマツナギ
暮らしとの関わり
 石黒では出会ったことはない。主に低地に自生する植物であり、標高200mを超える石黒には自生していないのであろう。
 上の写真は松波海岸の防波堤の斜面(法面)外側で撮った。防波堤の緑化のために植えられたものであるかもしれない。とすると、中国産のコマツナギ(日本産のコマツナギの種子が不足し中国より導入)の可能性もある。しかし、今のところ、法面では他には見かけないことからその確率は低いと思われる。
 自生の様子は幹の部分は地面近くを斜上し数本の枝が立ち上がっていた。花穂の上部は開花しているが下部にはすでに豆果ができている。
 試みに引っ張ってみたが枝も根も確かに強靭な手ごたえがあった。
 下の写真は番神海岸の岩壁に生えていたものである。地下茎の環境のためか、高さは10cm、長さ、20cmほどであった。それにしても、よほど乾燥と暑さには強い植物なのであろう。
 大寒の最中であるが今日(2015.1.24)は、午後から快晴となった。久しぶりに荒浜海岸を訪れた帰り道でコマツナギの冬芽を観察すると豆果はほとんど未だ裂果しないようだ。莢を裂いてみるに未だ硬くて容易に割り裂くことはできない。どうやらこの植物の散布は早春のように想われる。調べてみたい。

写真2012.8.23 松波海岸


       海岸の岩上に生えたコマツナギ


写真2012.8.23 番神海岸

              互生する葉

写真2013.7.8 荒浜海岸

                  開花期
写真2016.7.1 松波海岸


              花から果実へ  
 
写真2012.8.23 松波海岸

          果実期と対生する葉

写真2012.9.12 荒浜海岸

              幹と枝

  写真2013.6.13 荒浜海岸

               群生
写真2013.9.20 米山小 観察園(花期に撮影入れ替え予定)

                冬の様子

写真2015.1.24荒浜海岸防砂林


解 説
マメ科
 本州から九州の海岸から低地の草地等に生える小形の低木
 根は固く強靭で幹は高さ60〜90cmほど、径1.5cmくらいで枝を分け斜上し、または立ち上がる。
 葉は互生し短い葉柄をもった奇数羽状複葉、小葉は4〜5対ほどで長楕円形、あるいは倒卵形。先端は円形で細かい小突起がある(下写真)。長さ1〜1.5cmで全縁、表裏ともに柔らかな伏し毛がある。
 花期は6〜9月。葉の付け根から花柄を出して長さ3cmほどの総状花序をつけ紅紫色の蝶形花を開く。小花の長さは5mm、ガクは筒状で5裂し、有毛である。
 豆果は長さ3cmほどの円筒形で中に数個の種子を持つ。
 名前の由来は駒つなぎの意味で根も茎も丈夫で馬もつなぐことができるという意味。



   小葉の先端の突起
写真2012.8.23 番神海岸

    葉の突起の拡大
写真2013.6.13 荒浜海岸

       つぼみ
写真2013.6.13 荒浜海岸

    花の拡大写真
写真2013.6.13 荒浜海岸

      有毛のガク
写真2013.6.13 荒浜海岸

    つぼみと花と果実
写真2012.8.29 荒浜海岸

      果実(豆果)
写真2012.9.12 荒浜海岸


写真米山小 観察園

    冬芽と豆果と種子

写真2015.1.24荒浜海岸