イワガネソウ
暮らしとの関わり
 石黒では、イワガネソウは常緑性である。杉林の縁などでよく見かけるが、どこにでもあると言うほどではない。半日影の沢沿いの斜面などには中程度の群生が見られる。
 寒い地方では夏緑性になるといわれるが石黒では常緑性である。
 全国的には希少種に数えられる植物といわれるが、石黒では、昔は見られなかった集落内の道ばたにも今日では見られるようになった。
 本種によく似たイワガネゼンマイも石黒に自生していることが今日(2010.12.5)に分かった。よく似ているが次の点で区別できる。
@中脈から発する支脈が網をつくること
  (隣り合う葉脈の結合がみられる)

A支脈の先端が葉の縁まで達しないこと

B羽片の先端が急に狭くならないこと

(牧野植物図鑑参考) →参考画像

(写真2004.10.29下石黒)

     イワガネソウの若葉

写真2007.6.10下石黒

         根の様子


写真2010.12.5下石黒

解 説
イノモトソウ科
 北海道を除く各地に生えて高さ1メートルにも達する。
 常緑性であるが、寒い地方では夏緑性となる
 根茎は緑色で黄褐色の鱗片を密生し長く横にはい芽をだしてふえる。
 葉は、根茎からまばらに出て羽状で3〜5対の羽片は細く徐々に先が細くなりとがる
〔上写真〕。(同属のイワガネゼンマイは先端が急に細くなる)基部は広くクサビ形となり短い柄がある。葉の縁には細かい鋸歯がある〔上写真〕
 葉身の長さは40〜50p。幅30〜35p。葉の上面は滑らかで深緑色。若い葉はときに黄緑色のまばら模様を生ずることがある。葉脈中脈近くに細長い網目を作るがその先は平行に走るが葉の縁には達しない。(参考画像)
 胞子嚢群は葉の下面の支脈に沿ってつきほとんど葉裏の全体を覆う
(上写真)。黄色で包膜はない。
 名前の由来は山中の岩の根本あたりに生えることによる。 

    イワガネソウの芽

写真2007.6.10下石黒


      幼苗
写真2010.12.5下石黒

    黄緑色の紋様

写真2010.11.8下石黒