イヌコウジュ
暮らしとの関わり
 石黒では、道端などでよく見かける植物で、花穂がシソに似ているため目をひく。
 だが、シソ科の野草には似た種が多く、筆者には区別ができないものも多い。
 特に、イヌコウジュに似たものにヒメジソがあるがイヌコウジュの方が葉の形が長細いことや鋸歯の数が多いこと、ガクの形がほっそりしていることなどで区別しているが、どちらとも区別のできないものもある。
 ところで、撮影するため花の咲きそろったものを探したがついに出会わなかった。後で植物図鑑で調べると花穂に2つ3つずつ咲くのがこの植物の特徴であるとのことだった。
 筆者の見るところでは、花の咲く頃になると茎やガクが赤紫色になるものが多い。

(写真2005.9.29下石黒)


          紫色を帯びたイヌコウジュ

写真2012.10.18上石黒 嶺坂

          花とガクと包葉

写真2009.10.2落合

            根と四角の茎

写真2009.10.2落合

          葉の形

写真2009.10.2落合

解 説
シソ科
 日本全国の山野の道端などに生える一年草
 高さ20〜60pで四角の茎は直立し枝分かれする。表面に微毛がありしばしば紫色を帯びる。
 葉は対生し柄があり長さ2〜4pで片側6〜12個の低く細かい鋸歯がある。(酷似するヒメジソは4〜6)上面には細毛があり下面には腺点がある〔下写真〕。 
 花期は9〜10月で淡紅紫色の唇形の花を穂状につける。花の長さは3〜4oで2、3個ずつ開く。
 包葉の長さは2.5〜3oで先がとがる。ガクの長さは2〜3o。上唇は3裂し下唇は2裂する。花弁は3〜4oで上唇の先は浅く凹み下唇は3裂して中央部は長く前方に突き出ている〔左写真〕。雄しべ4本のうち2本は長い。
 4個の分果は球形で長さ1o弱、永続性のガクが底にある。
 名前の由来は薬草となるナギナタコウジュに対し役に立たないことによる。



  イヌコウジュのガクの形

写真2012.10.18上石黒

    葉下面の腺点

    葉上面の細毛

写真2009.10.2落合