フジカンゾウ
暮らしとの関わり
 石黒では希に見られる植物である。県下でもやや希の植物であるようだ。近郷では松之山地域に見られると聞くので石黒は隣接していることから自生していることもうなずける。
 名前のとおり花はフジの花に似た美しい花だ。
 果実はヌスビトハギの果実と同じ形だが大型である。
 花期以外でヌスビトハギとの区別点は小葉がヌスビトハギが3枚であるのに対してフジカンゾウは5〜7枚あることである。
 別名は、「フジクサ」で一般にはこちらの名前が知れ渡っているのかも知れない。

上写真2009.8.20寄合 撮影 政栄


             草全体の姿

上写真2009.8.20寄合 政栄

            根茎

上写真2009.8.20寄合 政栄
※根茎のふくらみについては図鑑等には記載がない。
マメ科特有の根粒菌によるものであろうか。


     
葉柄の付け根の托葉

上写真2009.8.20寄合 政栄
解 説
マメ科
 山地の林下に見られる多年草。茎は直立して1〜1.5mくらい。草全体に毛がある。
 葉は長い葉柄をもち、互生し2〜3対の小葉からなる奇数羽状複葉。葉柄の付け根に線状皮針形托葉があり数本の脈がある〔左写真〕。小葉の長さは10pくらい。短柄があり深緑色で質は硬く薄い。
 花期は8〜9月。茎の頂と葉の付け根から長い花軸をのばして穂状の藤の花に似た花をつける〔左上写真〕
 花は長さ8o。2個ずつ並び柄の基部には1個の包葉がある。ガクは小型で5裂し毛がある〔下写真〕
 豆果は長さ15oくらいで2〜3の節があり6〜7oほどの柄をもつ。節には短いかぎ状の毛があり衣服に付着しやすい。
 名前の由来は、花をフジに、葉の方を、薬草として栽培されている豆科のカンゾウにみたてたもの。



   五裂し毛のあるガク

上写真2009.8.20寄合 政栄

    薬草−カンゾウ

          参照画像