ヒメクグ
暮らしとの関わり
 昔は、水田の畦の内側によく生えた。筆者の子どもの頃(1945-1955)、夏休みの手伝いは畦草取りであった。ミンミンゼミの鳴き声を耳にしながら、灼熱の日射しの下、田の畦にびっしりと生えたヒメクグと格闘した遠い昔を懐かしく思い出す。
 花期にたくさんのイガグリ状の花穂がついていた姿がとくに印象に残っている。
 姫クグと呼ばれるだけに草姿は優しいが、地下茎を伸ばしどんどんと繁殖するため、除草剤のなかった昔は強害草であった。

〔2006.9.29落合〕


       花穂の鱗片の形とつきかた

写真2009.10.14大野

          株立ち状に生えたヒメクグ

写真2007.10.14上石黒
解 説
カヤツリグサ科
 北海道から九州の日当たりの良い湿った所に生える。
 茎は三角(3稜柱形)で、高さ5〜20p。根茎をのばして殖える。
 葉の長さは5〜20p、幅2〜4o。
 花期は7〜9月、茎の先に三枚の葉のような苞葉をつけその付け根の中心に球形の花穂を一個つける。鱗片は軸上に2列に並び舟形の卵形で先端は尖る(左下写真)
 名前の由来は「姫クグ」。クグはカヤツリグサ類の古名。つまり小さいカヤツリグサの意味。



      全体の姿

写真2007.10.14上石黒