ヘラオモダカ | |||||||
暮らしとの関わり へラオモダカは、繁殖力旺盛で昔から水田の強害草であった。成長すると稲を超える丈になる。特に寒冷地での発生の多い害草といわれ、水田ではほとんど種子から発生する。 幼苗は、コナギ、サジオモダカと似ている。 成長いした草姿はすっきりと整った形で美しい〔下写真〕 石黒では、現在では休耕田などに見られるが個体数は少ない。東京、埼玉などでは保護植物とされているという。 柏崎市街地周辺では休耕田などに普通に見られ、先日(2015.6.24)原町で大群生に出会った。下写真。 鉢に移植した個体を観察するに花は午後になっ開夕方にはしぼむようだ。 花自体は美しいが小さくまばらにつくので鉢植えにしても見栄えはしない。あえて言えば、束生する匙形の葉と直立して枝わけする茎と両々あいまって観賞に耐える、というところであろうかと思う。 〔写真上2006.7.4下石黒 右上2005.10.7落合 右下2005.10.30落合〕 ヘラオモダカの草姿 写真2006.9.16 大野 写真2007.5.30 居谷 大群生 写真2015.6.24原町−休耕田 花期を迎えるころ 写真2016.8.2藤井 裏面に隆起する中脈 写真上2006.7.4下石黒 花のつくり−子房と花柱と柱頭 写真2006.8.1 大野 ガク 写真2006.8.1 大野 枝基部の包-1 写真2010.8.10下石黒
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解 説 オモダカ科 日本全国の田や浅い池などに自生する多年草。高さ30〜70cm。 根茎は、短く多くのひげ根を出す。 葉は根もとから群がり出て長さ15〜20pの葉柄があり形はへら状で基部は鞘状。形は皮針形で先は鋭く尖り基部は次第にほそまって葉柄となる〔左写真〕。全縁で無毛。長さ10〜30p、幅2〜4p。支脈は6条あり、半数以上がやや平行し裏面に隆起する中脈から斜上する横小脈とつながる〔左写真〕。 花期は8〜10月。直立する長い花茎は、3個ずつ枝分かれし何段にも輪生して〔左写真〕1mにも達することもある。枝には径7〜8oの小形の白い花をつける。 花は両性花で平開し(下写真)短い柄がありガク片は3個、緑色で円卵形多脈(左下写真)。 花弁は3個、倒卵円形で基部はやや黄色。 雄しべ6個、花糸は糸状、ヤクは黄緑色で心皮は多数ありやや三角形の花床の上に黄色の花粉を出す。雌しべは多数で花柱は子房より短い〔左写真〕。枝の基部には小さな包がある(左下写真)。 そう果は平べったい卵形で1本の深い溝がある(左下写真)。〔※サジオモダカは2本〕 名前の由来は葉がへら状のオモダカの意味。 株芽 写真2010.5.10大野 実生苗 写真2010.6.18 寄合 枝基部の包-2 写真2015.7.20観察栽培 ヘラオモダカのつぼみ 写真2006.8.1 板畑 つぼみの頃 写真2015.7.20観察栽培 横から花冠をみる 写真2015.7.20観察栽培 果実とそう果 写真2010.9.19下石黒 |