ハス(植栽)
暮らしとの関わり
 故郷石黒を写真撮影に歩いていると、ときどき、放棄田にハスを見かける。昔、植えたものが生き残っているのであろう。早晩、他の雑草の侵入によってハスは消滅していく運命である。
 昔から石黒ではハスを植えておく家はごく少なかったので、子どもの頃、ハスの花を見るのが珍しかった。
 筆者が子どもの頃、毎年、8月12日に我が家に墓参り用のハスの花を分けてくれる人がいた。その人が抱えてくるハスの花の豪華さには毎年のことながら感動したものだった。その人が青森県から嫁いで来られた方であることも憶えている。
 上の写真は現在(2005)、落合集落で料理につかう果実を栽培しているハス田である。

〔写真2005.8.10落合〕


              花とつぼみ


写真2014.8.7平井
              花拡大

写真2010.8.18大野

              葉  

写真2004.7.18上石黒高床

              葉の上の水滴
写真2004.7.18上石黒高床

           花期から果実期へ

写真2012.8.29市街地周辺

               果実期
写真2014.10.16西山
解 説
スイレン科
 日本各地で昔から栽培されている多年生水草。
 日本には中国から古い時代に伝わったといわれる。〔※京都で洪積層(200万年前の地層)から種子が発見された事から日本在来種という説もある〕
 高さ1〜2m。根茎は地中をはい、節の多い塊根〔レンコン〕をつくり食用とする
 葉は地下茎から出て柄は長く直立して長く水上に出る。葉の形は扁円形で上面はやや凹み縁は波打つ(左下写真)。幅は20〜50cm。葉柄には短い刺がある。
 夏に花茎の先に大きな花をつける。花弁は20個。花は日中開き夕方にはしぼむ。花が散った後には花托が逆さの蜂の巣状に発達し果実をたくさんつける。
 果実は長さ2cmほどの楕円形で食べられる。また、ハスの種子は長寿命であることが知られており、約2000年前と推定される発掘種子から発芽した「大賀ハス」〔参考資料〕は有名である。
 名前の由来は、果実の入った花托が蜂の巣を逆さにしたように見えることによる。


    葉の開く前の様子
写真2005.7.15大野

      田のハス

写真2005.7.15大野

         果実

写真2012.8.15畔屋

   蜂の巣に似た果実

         種子写真2010.11.21大野