ハンゲショウ
暮らしとの関わり
 石黒では屋敷や畑の周りに半野生化したものが,しばしばみられる。山野に見られるものも、かつてそこに田や畑があった頃に植えられたものであろう。
 夏の赤い花もいいが、白い花や葉も涼感がありいいものだ。古くから茶花としてもよく用いられた野草でもある。
 しかし、畑に入ると分断された根から芽を出して、なかなかしぶとい害草となる。
 今日、2023年7月2日に、ふるさと石黒を訪れた。85才となり体力気力共に衰え、山小屋の庭や畑は荒れ放題寸前であるが山小屋の上り口のハンゲショウは草藪の中で元気に繁茂していた(下写真)。帰宅後、暦を見るに今日は5日間の半夏の初日である。
 ハンゲショウ同様、花期に花の近くの葉が白くなる植物マタタビの葉も白く変色していた。こちらは、スギの木に巻きついて伸び放題に伸びて電線の妨害になっていたので2mほどの基部で切断した。

(写真2010.7.15 寄合) 


               花期のころ

  写真2010.7.15 寄合

            葉の両面

写真 2011.7.20 下石黒

            雄しべと雌しべ

写真 2011.7.20 下石黒

                群 生

写真2014.7.12女谷

        山小屋上り口のハンゲショウ

 写真 2023.7.2(半夏生) 下石黒

解 説
ドクダミ科
 本州から九州の水辺や湿ったところに好んで生える多年草
 根茎は太く白色。土のなかを横に這って伸びる(左下写真)
 茎は直立して60〜100cmほどで縦に数本のがある(下写真)
 葉には柄があり互生し形は長卵形から楕円形で長さ8〜15cmほど。先端はとがり基部は心臓形で5本の脈がある。
 花期は6〜7月。茎の先のほうの2〜3枚の葉の表面が白くなり、この白い葉に向かいあって穂状の総状花序を出し多数の小さい花穂は白い花をつける。
 花穂はつぼみのうちは下に垂れ下がっているが開くにつれて立ち上がってくる。
 総苞はないが花の下には卵円形のがある。花には柄があり花被はなく、雄しべは6〜7本、その中に雌しべが一本ある。子房は4〜5枚の心皮からできている。
 名前の由来は半夏、夏至から11日目の頃に白い葉をつけることによる。



    葉のつき方(互生)

写真2023.7.2 下石黒

     花のつき方
 写真2023.7.2 下石黒

   横に伸びる白く太い根

 写真2011.7.20 下石黒

       茎の稜

写真2011.7.20 下石黒