ハナタデ (ヤブタデ)
暮らしとの関わり
 石黒では、林の縁の薄暗い道端などでよく見かける植物である。一見して草姿の貧弱なタデである。花もまばらについてお世辞でも美しいとはいえない。イヌタデの方が花がぎっしりと密に付くため見栄えがよい。
 名前に似合わず地味な花であるが、牧野図鑑ではハナタデを誤称であるとし「ヤブタデ」を本名としている。ヤブタデであれば、まさにふさわしい名前であると思う。

写真上2006.10.26大野


             花期のハナタデ

写真上2007.10.4大野

    梅花状につくハナタデの花


写真上2007.10.4大野


解 説
タデ科
 全国の山地の林の下などに生える一年草
 茎は横にはうか斜めに伸び上部は直立し、よく枝分かれする。高さ30〜60pで毛はない。
 葉は短い葉柄があり、薄く長い卵形または狭卵形で先は尾状に細まり長さ3〜7p、幅1.5〜3p。上面はまばらに下面は脈状にややまばらに長い毛がある。表面にはしばしば黒紋が見られる。(写真右上)托葉鞘は無毛か脈状に毛があり縁毛は長い〔下写真〕
 花期は8〜10月。総状花序は淡紅色の花をまばらにつける。花弁はなく、ガクは5深裂し紅色で長さ2〜3o。
 葉の広さ、花のつきかたなど変化が多い。
 そう果は3稜形で、卵形、黒色で光沢があり長さ約2o。
 名前の由来は花がまばらにつくことと花が梅花状であることによるとされるが(左下写真)牧野植物図鑑ではヤブタデで掲載されている。



  托葉鞘と長い毛

写真上2007.10.4大野