ハハコグサ(ホオコグサ) | |
暮らしとの関わり 石黒では、田の畦や道ばたなどよく見かける小さな草であるが、なぜか人目をひく魅力をもった野草である。粉がふいたような葉と優しげな黄色い花がひときわ目立つせいであろう。→写真 中学生の頃に、田の畦草を鎌で刈っていても、これだけは刈り取るのが惜しい気がしたことをおぼえている。 また、太古の草餅にはヨモギではなくこのハハコグサが使われたといわれている。今も、見る人の心を引き付けるのは太古からの長い暮らしとの関わりのせいかも知れない。 言うまでもないが、春の七草の一つであるゴギョウとは本種のことである。 秋の頃の田の畔〔くろ〕などに若芽の群生が見られる。〔下写真〕 2009年12月8日に大野(下ツ原)の田の畔で2番芽が数カ所で開花してる様を見た。ハハコグサは寒さのみならず除草剤に対しても強いらしい。 よく似ているチチコグサも見かけるが石黒では少ない。外見が地味で目立たないせいもあろう。 (写真上・右上中2004.6.12大野 背景−黒姫山) 新芽の群生−写真2009.10.14大野(背景−黒姫山) ハハコグサの花のつきかた 写真2009.5.8寄合 市街地でも見られるハハコグサ 写真 2019.5.26 新田畑 ハハコグサの群生 写真2005.6.18寄合 総包とそう果 写真2009.10.12 大野 果実期 写真2010.7.8 寄合 二番芽の冬の開花 写真2009.12.8 大野 |
解 説 キク科 日本全国の道端、、畑、田の畔などに生える越年草、ロゼット状で冬を越す。〔下写真〕 茎の高さは10〜30p。根もとから分枝し直立し質はややかたい(下写真)。 葉は倒被針形で長さ2〜6p、幅4〜12o。で互生し縁はやや波状となり先は丸味がある〔下写真〕。両面が綿毛で密に覆われている。 花期は4〜6月。黄色の小さい頭花を散房状に沢山つける。 総包は卵形で黄色、乾質〔下写真〕、中心に管状の両性花を、周辺に糸状の雌性花が並び共に結実する。 そう果には黄白色の冠毛がある〔下写真〕。 春の七草の「オギョウ」とはこの草のことであり若苗を食べたり餅に入れたりしたという。牧野図鑑には「ホウコグサ」とある。 名前の由来は色々の説があるが、「大言海」によれば、昔、3月3日に母子の人形を飾りハハコグサを入れた餅を供えたことによるという。 ロゼット状のハハコグサ 写真2009.12.4寄合 砂岩の崖に生えたハハコグサ 写真2009.5.8寄合 花期の様子 写真 2019.5.26 新田畑 花の様子 写真 2013.5.24 上石黒 葉の先の丸味と両面の毛 写真2009.5.8寄合 全体の姿 写真2009.5.8寄合 基部から分岐する様子 写真2011.5.28寄合 |