エノキグサ
暮らしとの関わり
 畑の強害草の一つである。見た目によらず根がしっかりと張っていて引き抜くには力がいる。どこにでも適応して生えるたくましい雑草なのであろう。茎の根元の部分はやや木質化したように見える。(右下写真)
 名前は、「エノキグサ」より「アミガサソウ」の方が、エノキが、ほどんど見られない石黒では納得のいく名前だ。
 今年(2007)の秋、村の民家の壁板の際に生えた1m近いエノキグサに出会い、その大きさに驚いた。〔下写真〕
 また、幼苗のうちは何の変哲もない草であるが、花期〜果実期に花序や花冠を観察すると興味の尽きないものがある。

写真2006.9.26上石黒


  1m近い大きなエノキグサ
写真2007.9.7上石黒
       エノキグサkの幼体

写真2007.7.9下石黒

      葉の長いタイプもあるようだ
写真2010.9.11居谷

          雄花拡大

          雌花拡大

写真2010.9.11下石黒 
  雌花の様子(雄花落下後)

写真2009.10.20下石黒 政栄

          雄花と幼果

写真2010.9.11下石黒

解 説
トウダイグサ科
 日本全国の畑や道端に見られる一年草
 茎は直立して30〜50pになる。根はよく発達する。
 葉は柄があり互生し先端は尖り縁には鋸歯がある。葉も茎もまばらな毛で覆われている(下写真)
 花期は8〜10月。雄花は褐色で細くて長い穂状の花序で、その下に編み笠の形のホウ〔苞〕に包まれた雌花がある〔右上写真〕
 雄花にも雌花にも花弁はなく風媒花である。雄花はガクが4裂し膜質である。雄しべは8本あり花糸は基部でゆ着する。雌花ではガクが3裂していて子房は球形で毛がある(左下写真)花柱は3個ある。
 名前の由来は葉がエノキの葉に似ていることによる(下写真)。この苞の形から「アミガサソウ」の異名もある。



    茎と葉の毛

写真2009.10.5上石黒

      葉の表裏
写真2009.9.11居谷

 エノキの葉との比較
    エノキグサの葉
   エノキ〔樹木〕の葉

写真2007.9.7上石黒

  
     発達した根

写真2009.10.12上石黒


  やや木質化した茎基部

写真2016.8.2藤井

   互生する葉

写真2009.10.12上石黒

      種子

2010.10.31上石黒で採取