アメリカハマニンニク(オオハマガヤ)
暮らしとの関わり
 最初に出会ったのは松波海岸の防波堤であった。明らかに飛砂防止のために植えられたものであることが分かった。念のために地元の方に聞くと最近になって目にする植物との事であった。
 しかし、同定が全然できず、WEV上で調べたところアメリカハマニンニク別名オオハマガヤであることが分かった。
 更に、調べてみるとアメリカハマニンニクは砂丘を安定させる効果はあるが、他面、海浜の植生への深刻な影響が問題化しているとのことであった。
 松浜海岸の場合もその密集した群生の様子から、他の植物の植生を許さないものが感じられた。このままいくとハマニンニクも消滅に追い込まれかねないと危惧される。(※その後4年ほど観察しているが、とくに増えている様子は見られない。もともとこの近くにはハマニンニクの個体は見られない。むしろ、2016.8.14現在、防砂林から土手を超えて侵入しているクズによってアメリカハマニンニクが脅かされかねない状態だ。)
 アメリカハマニンニクは、牧野図鑑(1995刊)では見られるが、平凡社の日本の野生植物(1982刊)には掲載されていない。また、柏崎の植物(1981刊)にも見られない。この事実からも未だ導入されて30年ほどであることがわかる。

写真2012.8.26 松波海岸


              春の新芽のころ
写真2016.4.6松波海岸

    植栽されて群生するアメリカハマニンニク
写真2012.8.26 松波海岸
                花期

写真1016.8.14荒浜海岸

         茎と葉の大きさ

写真2012.8.31 松波海岸

              全体の様子

真2012.8.31 松波海岸


          冬のアメリカハマニンニク
真2014.1.29 松波海岸

解 説
イネ科
 アメリカから渡来した帰化植物。海岸に自生、あるいは飛砂防止のために植栽されている。
 根茎は堅く鱗片に覆われていて地下で横に長くのびる。
 茎は株立ちして直立。基部は幅広く互いに重なり合う多数の葉鞘に覆われている(下写真)
 高さ40〜60cmほどで平滑で無毛。葉身は質が堅く長さ30cmほどで丸く巻く(下写真)葉舌は堅く長さ1〜3mm。
 穂状花序は茎の先端に1本つき、ほぼ円柱形で長さ15〜30cm。白灰色で瓦状に重なって密に小穂をつける。
 小穂は1花性で偏平で長楕円形、長さ11〜14mm。包頴2片はほぼ同じ長さで小穂と同じ長さ。第一包頴は1本の脈を、第二包頴は3本持つ。護頴はざらつき下位包頴と同じ長さで基部から長さ2mmの束毛が生える。
 別名オオハマガヤの由来は、ハマガヤに似ていて大形であることによる。



       茎の基部-1

写真2012.8.31 松波海岸

      丸く巻く葉身

写真2012.8.31 松波海岸

        葉舌

写真2012.8.31 松波海

      出穂のころ
写真2012.8.26松波海岸

        白い花穂

写真2016.8.14荒浜海岸

       茎の基部-2
写真2016.8.14荒浜海岸