アマチャヅル
暮らしとの関わり
 アマチャヅルは、石黒ではごく希な植物の一つである。
 これに似たヤブガラシは多く見かけるがアマチャヅルにはなかなか出会うことはできない。
 筆者は、石黒でアマチャヅルの自生している場所を落合集落に一か所しか確認していない。
 ヤブガラシと比べて全体が優しげな姿であり、葉の表面に微毛があること、巻きひげが葉柄側についていること(ヤブガラシは反対側)等で区別できる。
 また、ヤブガラシは暴れん坊的な存在であるが、アマチャヅルは、おしとやかなで対照的な存在であるともいえよう。

(写真2007.10. 2 落合)


          花のつき方
写真2010.7.26 落合

      木にはい上がったアマチャヅル

写真2007.10. 2 落合

          互生する葉

写真2010.7.26 落合

           巻きひげ
写真2010.7.26 落合

解 説
ウリ科
 北海道から九州に分布。山野の林の縁などの藪ぎわに多いツル性多年草
 地下茎は地中を長くはい白乳色で、やや肥大する。つるは巻きひげ(下写真)があり他物によじ上る。はじめ淡色の軟毛があるがすぐに無毛となる。雌雄異株
 葉は互生(左下写真)、5枚、または3枚あるいは7枚の小葉からなり、小葉はの縁には鋸歯がある〔下写真〕。また、葉面には細毛がある。
 花は8〜9月頃に、直径5oほどの黄緑色の目立たない花〔総状の円錐花序〕をつける。花冠は5裂し裂片は先がとがり長さ約2o。(右上下写真)
 果実は黒く熟し径7〜8oの球形で上に横筋〔ガク花冠の落ちた跡〕が環状に残る。(上写真)4個の種子を含む。
 種子は長さ4oで茶褐色。
 名前の由来は葉に甘みがあることによる。



      葉裏と鋸歯
写真2007.10. 2 落合

   葉の表面の白い毛

写真2007.10. 2 落合

     花から実へ
写真2010.7.26 落合

   たわわについた果実
写真2007.10. 2 落合