アブラガヤ
暮らしとの関わり
 石黒では、アブラガヤは、放棄田などでしばしば見かける。とくに穂が色づく頃になるとよく目にとまる。
 数本単位で生えているのは見るが、群生と呼ぶほどのものにはであったことがない。
 遠くから見ると、昔、どこの家でも栽培していたキビ(トウモロコシ)を小型にしたような草姿をしている。
 名前の由来である穂が油くさいことは、筆者は確認していない。
 また、アイバソウ、アブラガヤ、エゾアブラガヤ等の種の区別は容易ではないが、湿生・水生植物に詳しいサイトより、「エゾアブラガヤは花茎の葉腋から側花序は出さない」とのご指導をいただいた。
 石黒には、側花序が見られない種もしばしば目にするのでこれがエゾアブラガヤかどうか、今年は比較観察してみたい。
情報提供−http://matsuoka.xsrv.jp/floraNishinomiya/
 
(上・右下2005.9.10寄合 右上2005.8.4居谷)


アブラガヤ〔花茎の葉腋から側花序が見られる〕

 写真2005.7.25大野

        花期から果実期へ

写真2007.8.24寄合
   
               種子散布の頃

写真2011.11.2寄合

解 説
カヤツリグサ科
 北海道から九州まで沼沢地や湿地に普通に見られる多年草。根は短いひげ根
 茎は根元から立ち上がり、硬くてふくれた三角柱状で5〜8個の節があり節部は茶色、節間は黄緑。高さは1〜1.5mほどになる。(左下写真)
 葉は茎の根元と節につき互生し葉鞘は茎を包み、長さは40〜60p。
 秋に茎の先の葉のつけ根から花柄を数本だしてその先が分枝し更に数回分枝した小枝の先に2〜3個の小穂が集まってつく。小穂は楕円形で長さ腋4〜8o、幅3〜4o。赤褐色に熟す。
 果実は偏平な3形で長さ0.8〜1o(下写真)。淡褐色で針状の棘が6本ある。8〜10月に熟す。
 変化に富み変種が多いといわれる。
 よく似た草にアイバソウがあるがアイバソウが小穂が1個ずつつくのに対しアブラガヤ数個ずつつくこと、柄がないことで区別できる。アブラガヤの変種として扱うこともある。〔下写真アイバソウとの比較写真参照〕
 名前の由来は穂が油色を帯びて油臭い事による。



     茎を包む葉鞘 

写真2010.8.1寄合

        種子


写真2011.11.1寄合

  比較アイバソウの穂

写真2007.10.4寄合